ジョージタウン大学教育労働力センター(CEW)は7月15日、報告書「差別的バイアス:アジア系米国人、試験結果、総合的入学者選考」を発表した。本報告書は、積極的差別是正措置を批判する団体「公平な入学者選考を求める学生」などが主張する、競争率の高い大学におけるアジア系米国人出願者に対する差別を検証した結果をまとめたもので、差別を裏付ける十分な証拠は見つからなかったと結論付けている。
積極的差別是正措置の批判者は、競争率の高い大学におけるアジア系米国人出願者の合格率が低いと主張しているが、これは、大学進学標準試験の結果に関係なく競争率の高い大学に出願するアジア系米国人出願者数が多いことも一因で、①様々な要因を考慮する総合的入学者選考と②試験結果のみを基準とする選考との間で結果を比較した場合、合格率の変化は2ポイント以内 であったとしている。また、総合的入学者選考を通して合格したアジア系米国人出願者の21%は、試験結果のみを基準とする選考の下では不合格になることも判明している。主な結果は以下の通り。
- ハーバード大学に在籍する学生全体の中でアジア系米国人・太平洋諸島系学生が占める割合は、1999年の22%から2018年には24%に増加。
- 非常に競争率の高い大学において、在籍学生全体の中でアジア系米国人・太平洋諸島系学生が占める割合は、1999年の14%から2018年には18%に増加。
- アジア系米国人・太平洋諸島系学生は、非常に競争率の高い米国大学に在籍する学生全体の18%を占める一方、全米の大学生全体に占める割合は6%のみ。
- 大学進学適性試験(SAT)の点数が1,350点以上という好成績の学生の中で、アジア系米国人・太平洋諸島系学生が占める割合は、2000年、2008年、2012年のいずれも全体の12%で変化なし。
- 2016年には、SATの点数が1,350点以上であった学生全体の中でアジア系米国人・太平洋諸島系学生が占める割合は15%で、それに伴い、非常に競争率の高い大学に在籍する学生全体の中で占める割合も増加。
なお、本報告書は、こちら から閲覧可能。
7月15日
Georgetown University Center on Education and the Workforce:
Under SAT-Only Admissions, Asian American Applicants to Selective Colleges Would Gain Fewer than 3,000 Seats Out of 120,000, Georgetown University Report Finds
地域 | 北米 |
国 | アメリカ |
取組レベル | 大学等研究機関レベルでの取組 |
大学・研究機関の基本的役割 | 教育、質の保証 |
人材育成 | 学生の多様性 |