【ニュース・アメリカ】2018年度の大学基金投資利益率は前年度を下回る平均8.2%

 
全米大学実務者協会(National Association of College and University Business Officers:NACUBO)は2019年1月31日、米国大学退職基金教員保険・年金協会(Teachers Insurance and Annuity Association of America-College Retirement Equities Fund:TIAA)と共同で、米国大学802校から収集したデータに基づく報告書「2018年度NACUBO-TIAA大学基金調査(2018 NACUBO-TIAA Study of Endowments:NTSE)」を発表した。
 
これによると、同調査に参加した大学の大学基金投資利益率は平均8.2%で、2017年度の12.2%を下回った。前年度と比較した利益率低下は、米国株式市場及び国際株式市場における利益率低下が主因と考えられる。また、10年間の平均年間利益率は、前年度から1.2ポイント増の5.8%であったものの、長期利益率目標に掲げていた平均年間利益率7.2%には届かなかった。
 
その他の主な結果は以下の通り。

  • 本調査に参加した大学は、大学基金から大学キャンパス運営に総額216億ドルを拠出。
  • NTSE参加大学は、大学基金からの支出の平均49%を学生の奨学金・学資援助支援目的で使用し、16%を学業チュータリング関連目的で使用。
  • NTSE参加大学の66%は、2018年度の大学基金からの支出額が前年度よりも増加したと回答し、これらの大学における増加率は平均6.6%。
  • 今回NTSEに参加した大学の大学基金総額は6,165億ドルで、中央値は1億4,020万ドル。また、傘下大学の41%は、大学基金規模が1億100万ドル以下。
  • NTSE参加大学の大学基金に対する2018年度の寄付総額は990億ドル。大学1校あたりの寄付額中央値は370万ドルで、2017年度の320万ドルから増加。また、公立大学1校当たりの寄付額中央値は500万ドルで、私立大学の310万ドルを上回る。但し、大学1校当たりの寄付額は、37万6,000ドル~10億ドル超と幅広い。

 
2019年1月31日
 
National Association of College and University Business Officers:U.S. Educational Endowments Report 8.2 Percent Return in FY18

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ
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