【ニュース・アメリカ】米国政府、2019年4月から適用される「H-1B」ビザ新規則において、米国大学で上級学位を取得した留学生を優先

 
米国政府は、高スキル保有者を対象とした就労ビザ「H-1B」に関し、米国大学において上級学位を取得した留学生を優先するために、2019年4月から新規則を適用することを明らかにした。
 
市民権・移民サービス局(Citizenship and Immigration Services:CIS)によると、新規則の下では、修士号以上を保有する外国人に対する同ビザの付与数が、例年に比して最高5,340件増えるという。この変更は、米国ハイテク企業が求めるような高スキルを保有する留学生を優先するという、トランプ大統領が2017年に掲げた誓約を実現させるものとなる。
 
例年、ビザ申請数はビザ付与上限数を上回っており、CISは、申請者全員を対象とした抽選でビザ受給者を選出してきた。これに対し、「H-1B」ビザ新規則の下では、最初に学位に関係なく6万5,000人を選出する抽選を行い、この第1回抽選で選出されなかった上級学位を保有する申請者に限定して、さらに2万人を選出する2回目の抽選を行うことになる。
 
但し、新規則に対しては、政府による越権行為等として、法廷で争われる可能性が高いと見られており、移民法弁護士でホーランド・アンド・ナイト法律事務所(Holland & Knight LLP)パートナーのレオン・フレスコ(Leon Fresco)氏は、訴訟が提起された場合、4月1日施行の規則に対して停止命令が発令され、「H-1B」ビザシステム全体が混乱に陥る可能性があるとの懸念を表明している。
 
2019年1月30日
 
The Wall Street Journal:U.S. Changes Visa Process for High-Skilled Workers

地域 北米
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