米国学生情報研究センター(National Student Clearinghouse Research Center)は、2020年春学期の大学在籍状況をまとめた報告書
「2020年春学期在籍状況予測(Spring 2020 Current Term Enrollment Estimates)」を発表した。
これによると、2学期制の大学では、新型コロナウイルス大流行によるキャンパス閉鎖や講座のオンラインへの移行などが学期の途中に
あったにもかかわらず、春学期(後期)開始時から終了時までの中退者数や履修単位数の増減などは、過去数年とほぼ同じであった。
その一方で、学期途中で休学を申し出た学生の割合が、過去2年間は全体の0.026%であったものが、2020年春学期は0.045%と高く
なっており、全体で約6,400人の学生が、特に3月と4月に休学を申し出た。
本調査結果は約600の大学の回答をとりまとめたもので、まだ一部のみであることから、最終的には休学者数はさらに増加する
可能性があるという。同センターのエグゼクティブディレクターを務めるダグ・シャピロ(Doug Shapiro)氏は、休学した学生の中で、
アフリカ系及びヒスパニック系学生が占める割合が特に高いことが気懸りとコメントしている。
また、4月中の春学期初日における新入生数は、過去2年間はいずれも約9万人であったものが、2020年は1万7,000人に激減して
いることが判明した。春学期入学を選択する学生は通常、4学期制の大学、または、通年でいつでも入学が可能なオンライン大学
における大学生である。
シャピロ氏は、2020年3月に経済活動封鎖によって失職する労働者が増えたため、入学時期に柔軟性のある営利大学への登録者数が
増加することが予測されていたが、オンライン講座を中心とする大学においても登録者数の増加は見られなかったとしている。
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。また、2020年4月と5月に収集されたデータ及び追加報告書は、こちらからダウンロード可能。
6月30日
Inside Higher ED: Enrollments Largely Stable During Spring