サンパウロ大学(USP)文化・公開教育本部は、2018年に新部局長及び部局長補佐が就任してまもなく、キャンパスまで足を運ぶことができない人に向けた、通信制の公開講座実施への投資を行うことを提案しました。
教授陣との意見交換を経て、USPにおいて通信講義が少ないのはその慣習が浸透しておらず実施の経験が不足しているためであり、通信講義を行うためのメソッドや教育計画・戦略、技術的なスキルが必要とされることが認識されました。
そこで、通信講義の経験が豊富なUSP歯学部のアナ・エステラ・アダジ教授のコーディネートによる、USPの教員向けの「バーチャル環境における学び:経験、最新技術およびUSPのポテンシャル」というテーマの研修の準備が始まりました。
&emsp準備には様々な学部から数人の教授が参加し、研修は2020年3月から6月まで行われました。折しも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い3月から通学講義の実施が停止されることとなったため、この研修は思いがけず時宜にかなったものとなりました。アダジ教授は研修の目的を、「デジタル技術の活用においてUSPの教授陣をサポートすること、バーチャル環境におけるUSPの文化・公開講座の教育・学習プロセスを評価すること」としています。
アダジ教授は、「通信教育においては、教授内容・教材が魅力的なものとなるようなデジタル手段の活用だけでなく、双方向性とコンテンツの継続的な更新が求められる。USPはパンデミックにおいても大学の教育活動を停止することなく、通信教育の改良に向けた取り組みに力を入れている」としています。
研修に参加した教員らは、「(この研修は)通常の大学での講義から通信講義への移行において有用であった。教育計画の策定や実施のための戦略、成績評価に用いるツールやテクノロジーに関する議論を行ったことで、通信講義を継続する上での安心感とスキルを得られた」と述べており、この研修は、USPが今年後期も継続して教育活動を行う上で非常に重要なものとなりました。
通信講義に関する教員向け研修について取り上げた大学新聞の記事のリンク
JORNAL DA USP: USP capacita seus docentes paraensino a distância