【ニュース・中国】院士の王大中氏、国家最高科学技術賞の賞金全額を清華大学に寄付し、奨学金を創設

 
清華大学によると、中国科学院院士で国際的に著名な原子力科学者、教育者であり、清華大学元総長の王大中氏は先日、受賞した国家最高科学技術賞の賞金をすべて寄付し、「王大中奨学金」を設立した。

 
王大中院士は、先進的な原子力エネルギー技術の研究開発の分野で数十年にわたる業務に尽力してきた。清華大学の原子力研究チームを率いて、原子力の安全性の向上を主な学術理念として、我が国固有の安全性を主な特徴とする先進的な原子力エネルギー技術を、世界に追いつき追い越せの段階から、今や世界をリードするまでに発展させた。2021年11月3日、王大中院士は国家最高科学技術賞を受賞した。これを受けて、王大中院士・高祖瑛教授夫妻は、国と清華大学からの賞金の全額を清華大学教育基金会に寄付して、「王大中奨学金」を設立し、後学が勉学に励み、国に貢献することを奨励することを決めた。

 
先日、「王大中奨学金」の寄贈式が清華大学で行われ、そこで王大中氏は次のように語った。自分は1953年に清華大学に入学して学び、さらに同大に勤務して68年になるベテランの「清華人」である。清華は自分を育て、成長のための大きな舞台を与えてくれた。母校への思い入れは非常に深く、清華には行動で貢献しようと努めてきた。今回、国家最高科学技術賞を受賞したことは、個人の栄誉であるだけでなく、清華大学原子力研究院全体の栄誉であり、さらには清華大学という大きな集団の栄誉であり、数世代にわたる「清華人」のたゆまぬ奮闘の成果でもある。この賞金は、刻苦勉励し、困難を乗り越えて科学技術の頂点を極めようとする学生たちを応援するために寄付したい。そしてこの賞金は、より多くの学生が、地に足をつけ、言葉よりも自分の実践的な行動で、国や社会に貢献するための励みとなってほしいと願う。

 
清華大学党委員会の陳旭書記は、次のように述べた。王大中院士は国と学校の賞金をすべて大学に寄付して「王大中奨学金」を設立し、名利にこだわらず、甘んじて奉仕するという品格をもって全校の教員と学生に模範を示し、学校の奨学金システムの構築に新たな力を捧げた。より多くの学生が国のために奉仕することを志し、国家と民族により大きな貢献をすることができるよう、当校の教育基金会はこの寄付金をしっかりと管理し、活用していく所存である。

 
清華大学の邱勇学長は次のように述べた。この奨学金の設立は、若い学生たちが輝かしい伝統を受け継ぎ、時代から与えられた歴史的使命を率先して担うことを大いに鼓舞するとともに、全教職員が人材育成と教育に全身全霊を捧げ、引き続き困難を克服し、たゆまぬ奮闘で清華大学発展の新たな高みを築き、ひいては国家の富強、民族の復興、人民の幸福のために「清華人」としての貢献を示してくれると確信している。

 
2022/01/07


澎湃新闻: 王大中院士将国家最高科技奖奖金全部捐赠清华,设立奖学金


地域 アジア・オセアニア
中国
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