【ニュース・中国】中国の大学受験「高考」本科選抜が続々終了 受験生の専攻選びから見える新傾向(2)

 
傾向3:未来産業に熱視線、ビッグデータ、AI、バイオ医薬品などがますます人気

 
長期的視野で見てみると、今年の受験生は専攻選びにおいて将来性を重視する傾向が強まっている。コンピュータ・ソフトウェア、金融、経済系の
ような伝統的な人気専攻以外にも、ビッグデータ、AI、バイオ医薬品のような新しい専攻にもますます熱視線が注がれるようになっている。

 
理系の高得点受験生はやはり伝統的な理工系の王道専攻を選ぶ傾向が強いが、ビッグデータやAI専攻も今や合格ラインは低いとは言えず、将来に
期待できる専攻だと王亜星氏は指摘する。2020年は全国各地で医学系専攻に出願する受験生が大幅に増加したが、2021年も医学系専攻は引き続き
見通しが明るい。広東省教育考試院の関連部門の責任者によると、広東省では今年も医学系専攻の人気は衰えず、特に学部から大学院の修士・博士
課程まで一貫で学ぶ8年制の専攻課程は人気で、広州中医薬大学、南方医科大学の関連専攻の足切りラインは、去年と比べて、省内順位でそれぞれ
5,000位、1,000位以上も高くなった。

 
医療・衛生系専攻はかつて不人気の時代もあったが、今では人気はうなぎのぼりで、高得点者の出願もかなり多い。新型コロナウイルス感染症の
流行が、医師という職業の価値とイメージを押し上げたこともあるが、受験生の多くが、高齢化社会の到来による医療ニーズの高まりを意識して
いることも要因であると専門家は分析する。

 

傾向4:保護者の意向から受験生自身の興味・関心へ。専攻選びは「好き」かどうか

 
取材を通じ、以前の「高考」では、両親の意見に従って出願先を決めるケースがほとんどだったが、ここ数年は受験生本人の意思や志向で選ぶ方向
に変わってきていると感じた。北京大学学生募集事務局の関連部門責任者は、出願の際に「好き」かどうかを重視する学生が増えていると指摘する。

 
専攻選びにおいて受験生の自主性が高まり、以前のように学校名だけで選ぶのではなく、自身の興味・関心や得意なことを基準に選ぶようになって
きていると、前出の王躍氏も言う。ある受験生は農林系に強い関心を抱いていたが、保護者は反対していた。しかし、その受験生は最終的に自らの
意思を貫いたという。

 
専門家は次のように指摘する。現在では、中学・高校の段階からキャリアプランニング教育を行い、早くから自身の興味・関心や得意なことを把握して
おくよう促す
学校が出てきて、一定の成果を挙げている。将来的には、受験生本人の意思や志向が国の発展と結びつくよう誘導することを重視し、
不人気ではあるが重要な専攻の人気を高めていかなければならない。

 
2021/08/03


澎湃新闻: 高考本科批次录取陆续结束,考生专业选择透露哪些新动向


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