【ニュース・中国】世界初!重要研究成果が『ネイチャー』誌の表紙に(1)

 
中国科学院上海光学精密機械研究所高磁場レーザー物理国家重点実験室は、自主開発の世界最高レベルの総合性能を持つ超短波超高磁場レーザー装置
を用い、レーザー加速器をベースにした小型自由電子レーザー研究において画期的な成果を挙げた。

 
研究チームは、レーザー航跡場によって加速される電子ビームの質を大幅に改善するとともに、設計を一新したコンパクト型ビーム輸送および放射
システムと組み合わせることで、レーザー加速器をベースにした自由電子レーザーの出力を実験で初めて増幅することに成功した。

 
標準レーザー波長は27nm、最短レーザー波長は10nmレベル、単一パルスエネルギーは100nJ レベルに達し、世界に先駆けて卓上化自由電子レーザー
原理の実験・検証を完了した。これは自由電子レーザー機器の小型化・低コスト化において大きな意義を持つ。関連の研究成果は2021年7月22日の
科学誌『ネイチャー(Nature)』に巻頭記事として掲載される。

 
自由電子レーザーは、X 線波長域で高輝度コヒーレント光源を実現するための現時点における最良の技術である。X線自由電子レーザーは、物質内部
の動的構造を探り、光と原子、分子および凝集物質の相互作用の過程を研究する際に用いられ、表面物理学、半導体物理学、凝縮系物理学、化学、
構造生物学、医学、材料、エネルギー、環境などさまざまな分野の発展を大きく促す可能性を秘めている。

 
それゆえ、X線自由電子レーザーの小型化・低コスト化は重要な開発の方向性であり、応用拡大と革新的技術の誕生のいずれにも極めて重要な意義
を持つ。

 
超強力超短波レーザー駆動型の航跡場電子加速メカニズムは、高周波加速器を3桁以上上回る超高加速勾配を実現できるため、高性能小型電子加速器
の主流となっている。

 
世界的には2004年に初めてレーザー航跡場による電子加速の画期的成果が実験で得られたことを契機に、レーザー航跡場加速器駆動型の小型自由
電子レーザー、特にX線波長域の自由電子レーザーが、同分野の研究者に共通した研究対象となっている。

 
近年、レーザー航跡場加速はいくつも重要な進展を遂げたが、自由電子レーザーの駆動に関しては、電子ビームの品質面でも安定性の面でも
まだ多くの課題を抱えており、研究はまだ初期段階にあると言わざるを得ない。

 
次に、つづく
 


青塔: 国际首次!这一重要研究成果登上Nature封面


地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
研究支援 研究助成・ファンディング