【ニュース・中国】世界初!重要研究成果が『ネイチャー』誌の表紙に(2)

 
上海光学機器研究所の研究チームは、長年レーザー加速電子ビームの品質と安定性の向上に取り組んできた。同チームは特殊なプラズマ密度分布構造
を設計し、電子ビームの注入と加速を制御・最適化することにより、電子ビームの総合品質(エネルギー拡散、透過率、電力量等を含む)を効果的
に高めることに成功した。

 
また、電子ビームの位相空間の変化を制御・最適化することにより、電子ビームのプラズマから真空への安定した移行を実現するとともに、これに対応
するビーム輸送およびアンジュレータ放射システムを設計し、電子ビームの長距離輸送とアンジュレータへの効果的な結合を実現した。

 
同チームは、実験において初めて、EUV における放射のサインを観測した。このときの標準レーザー波長は27nm、単一パルスのパルスエネルギー
は最高150nJ に達し、軌道の移行および自発放射スケーリング等の方法を用いた結果、最後のアンジュレータ内におけるエネルギーゲインは100倍
にも達することが証明された。

 
これはレーザー電子加速器をベースにした EUV 波長域の自発放射出力を世界で初めて上げることに成功したものであり、X 線自由電子レーザー機器の
小型化・低コスト化において大きな意義を持つ。

 
査読者はこの成果を高く評価し、「同成果はレーザー航跡場分野において、2004年に『ネイチャー』で報告された『Dream Beam』以来の画期的成果
である……突出した科学的成果であることに疑いの余地はない……これは新たな応用の創出、新たな可能性のためのメルクマールである」「プラズマ
加速をベースとしたコンパクト型自由電子レーザーの発展を代表する重要な一歩で……報告されている技術は同分野の研究者に大きな影響を与える、
重要な技術の進展である」「執筆者の研究は一流であり、最も広範な読者が研究チームの成し遂げた成果を享受できるものである……、新興分野
におけるこの重要な里程標——プラズマ加速技術をベースとした小型自由電子レーザー機器の実現を心から祝いたい……」とコメントしている。

 
研究チームは今後、自由電子レーザーの出力効率および光子のエネルギーをさらに高めるとともに、上海超短超高磁場パルスレーザー実験装置
(SULF、「羲和」)の超高速化学および高分子動力学研究プラットフォームの重要な一部として、成果をオープンにし共有する予定である。

 
関連する研究は、国家自然科学基金委員会重要計器特別プロジェクト、中国科学院戦略的先導特別プロジェクト(B 類)の他、国家自然科学基金
委員会重大プロジェクトや中国科学院青年イノベーション部会優秀会員プロジェクト等から支援を受けている。

 
2021/07/26
 


青塔: 国际首次!这一重要研究成果登上Nature封面


地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
研究支援 研究助成・ファンディング