【ニュース・中国】安全と健康が留学を考える上で最大の検討要素に 最近は帰国「留学」がブームに

 
中国は世界各国に多くの留学生を送り出しているが、新型コロナウイルス感染症の流行とそれに伴う渡航・ビザ制限、対面授業の停止等の影響により、
中国人学生の間で留学への意欲が揺らぎ、留学先の変更や入学の延期・取消を行う学生が増加している。
 

低下する米国への関心
海外で生活する留学生にとって、周囲との新型コロナウイルスに対する認識のズレや帰国手段の制限といった要素は大きなストレスの原因となる。
また、米国においては、2020年7月に発表されたオンライン授業を履修する学生に対する規制 も、米国への留学に影を落としている。
 

国際教育機関兼出国サービスプラットフォーム「米中国際教育グループ」の王寅氏は、「これまで米国は最も人気のある留学先であったが、今年は補欠
候補
となってしまった。一方で、英国、シンガポール、日本といった国々への関心が高まっている」と話す。
 

また、同氏によると、大学よりも早い段階で行われる「早期留学」、大学生・大学院生として渡航する「学部留学」「大学院留学」の中でも、特に「早期留学」
「大学院留学」が大きな影響
を受けており、海外の高校から国内のインターナショナルスクールへ、海外の大学院から国内の大学院あるいは就職といった
ように、進路を変更する生徒・学生が増加しているという。
 
 
安全と健康が最大の検討要素に
安全と健康は、これまで留学先の国が当然備えている前提条件であったが、今や留学を検討する上で最初に考慮すべき要素になっている。
ブリティッシュ・カウンシルが2020年に中国人学生1万人を対象に行ったアンケート調査によると、「身の安全」と「心身の健康」が留学志願者の
最大の懸念事項
だった。この2項に対する優先度は、「留学費用」「申請の難易度」「距離」よりも高くなっている。
 

感染症の拡大という不透明な情勢を受け、香港、台湾にある近場の大学も人気が高まっている。また、中国国内にある海外大学の提携校も、1つの
「留学」の選択肢として台頭してきている。
 
 
変更し難い選択

このように海外留学を控える傾向がある一方で、コロナ禍にあっても、入学要件を満たすために費やした時間や金銭的な負担、自身の将来的な
キャリアプラン等を鑑み、当初の予定通り、あくまで海外の学校に進学することを目指す学生も存在している。
 

新华每日电讯 2021/01/12
 


澎湃新闻: 新华每日电讯:安全健康成留学首要考量因素,就近、回国“留学”或成新趋势

地域 アジア・オセアニア
中国
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