【ニュース・中国】留学帰国者は若年化・高学歴化の傾向

 
[2020年 中国留学帰国者就職起業調査報告書] の発表より
 
帰国後の就職の割合が著しく増加
世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、感染終息の見通しが立たない状況下において、中国は比較的早期に感染を押さえ込み、経済の回復
が早かったと認識されており、帰国して国内で就職することを選ぶ留学生が増加した。
 
中国の人材政策に対する理解不足という問題
国内での就職を目指す留学生が増える一方で、中国政府の雇用政策や、雇用市場の趨勢を理解していない学生が多いという課題が生じている。
実際のところ、中国政府が実施している人材募集・就職に関する政策への理解が乏しいということは、以前より留学帰国者の就職における問題点
として指摘されてきた。こうした問題に対し、近年、政府組織や企業が海外で就職説明会を開くケースが増えているが、そうした機会はまだまだ
限られている。
 
若年化・高学歴化の傾向が顕著に
16歳~24歳の留学帰国者は昨年より4.5ポイント増えて27.9%にまで上昇した。また、中国に帰国して就職を希望する海外留学生の学歴を見ると、
修士号取得者が最も多く
なっており、全体の70%以上を占めている。
 
「金融ブーム」は継続
留学から帰国した学生は、金融業、IT/通信/電子/インターネット、政府/NPO、文化・スポーツ・教育/工芸・美術、文化/マスコミ/エンタメ/
スポーツ、ビジネスサービスといった業界への就職希望率が高い。特に金融業の就職希望者の割合は、一般的な就活生に比べてかなり高く、いわゆる
「金融ブーム」が継続中であることが見て取れる。
 
就職活動に費やす時間はやや増加
留学帰国者が2020年の就職活動に要した時間は、全体として前年より長くなっており、3割を超える就職希望者が、帰国後最初の仕事を見つけるまでに
4か月以上
かかっていた。また、留学帰国者の帰国・就職後の給与に対する満足度は、2019年よりやや上昇しているものの、依然として当人たちの
希望額とは開きがある状態である。
 
留学に対する満足度はやや上昇
すでに帰国し就職している元留学生の多くが、海外留学の経験が就職活動でプラスに働き、自身の希望する仕事に近づくことができたと感じている。
また、留学で得た経験は「期待通り」「それ以上だった」と答えた割合は82%に上り、2019年より10ポイントの増加となっているなど、全体として
留学帰国者の留学に対する満足度はやや高まっている。
 
帰国後に起業した人々は、人材募集に苦慮
帰国後に起業した人々の多くは、コロナ禍の影響により、メーカーを中心に「資金繰りの厳しさ」を抱えている。その他の問題としては、「注文案件
の減少」「人材の募集が難しい」回答
する事業者が多い。新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、就活生が安定を求めてベンチャー企業への就職
を避けるようになったことが、人材募集の困難さに拍車をかけている。
 
人民日报海外版 2021/01/13
 


光明日报创: 《2020中国海归就业创业调查报告》发布——海归回流呈年轻化、高知化趋势

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
国際交流 国際化
人材育成 学生の就職