【ニュース・中国】「論文オンリー」の風潮打破に本腰 各省の取り組み(3)

 
吉林省

 
 吉林省の実施計画は、基礎研究プロジェクトにおいて「代表論文制度」による論文評価を明確にし、代表的論文の提供のみを求め、
また、代表論文数を合理的に決定するよう求めた。うち、国内の科学技術論文誌掲載の論文は原則として3分の1を下回ってはならず、応用研究と
技術開発プロジェクトの評価については、成果の実際的貢献を重視し、論文を主な評価根拠と評価指標とはしないとした。

 
 基礎研究プロジェクトについては、「論文数や影響要因の高さの過度な重視」を避け、検証報告や年度報告、実績評価などの様式に「代表論文関連状況を記入する」項目を追加するとともに、プロジェクトへの貢献度を重点的に評価する。

 
 また実施計画では、科学技術者の評価基準についても言及している。基礎研究に従事する科学技術人材は、オリジナリティや学術成果の科学的価値、同種研究者の評価、学術貢献、組織力と影響力、科学研究の信用度などを重点的に評価する。

 
 また、応用研究と技術開発に従事する科学技術人材は、その技術革新や知的財産権、成果の質および成果転化効果、産業発展への貢献度、科学研究の信用度などを重点的に評価する。

 
 実施計画は、省レベルの青壮年の科学技術革新リーダー人材について、中心的成果を上げた革新的業績と学術的影響を重視して評価し、「代表論文制度」により論文を評価し、代表論文数は原則として5本以下とすると明示した。

 
 省レベルの重点分野の技術革新チームについては、チームワークと技術革新力およびチームリーダーの調整力とリーダーシップの評価に重みを置き、同様に「代表論文制度」により論文を評価し、代表論文数は原則として10本以下とする。

 
 省レベルの科学技術の技術革新や起業の人材については、起業人材が企業を設立して就業を促進することや産業科学技術の比重および経済社会への効果などの評価に重点を置き、論文を主な評価の根拠・指標としない。

 

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