【ニュース・中国】「論文オンリー」の風潮打破に本腰 各省の取り組み(4)

 
福建省

 
 福建省は、全面的な科学技術評価における「論文オンリー」の風潮を打破する措置文書を省として初めて発表した。

 
 福建省は、基礎研究科学技術活動に対して、新発見や新観点、新原理、新メカニズムなどの顕著な成果の質と貢献、影響の評価に重点を置くと
規定した。「代表論文制度」による論文評価について、科学技術活動の特徴に基づき、代表論文数を合理的に決定する(省レベルの科学技術計画
プロジェクトの審査・評価において、代表論文数は原則として5本以下)。うち、国内の科学技術論文誌掲載の論文は原則として3分の1を下回っては
ならない。

 
 代表論文の評価は同種研究者の評価を主とし、その学術的価値と影響、その時点の科学技術評価との関連性および関係者の貢献などを重点に評価し、代表論文数と影響要因の高さを定量評価指標としない。

 
 応用研究と技術開発の科学技術活動に対して、新技術や新工程、新製品、新素材、新設備の評価に重点を置き、論文を主な評価の根拠・指標と
しない。

 
 省レベルの科学技術計画プロジェクトの審査・評価において、論文を申請案内やプロジェクト立案審査、プロジェクト検収、抜き取り検査などの
評価根拠・評価指標とせず、申請書や職務記述書、検収表などの資料への論文の発表状況の記入を強いてはならない。

 
 また措置文書は、科学技術評価指標における良質な成果の比重を大きくするよう求めた。一定の学術的影響または実用的な応用効果が得られた
指標的成果があること、重要な学術的影響を有し関連分野の科学技術革新をけん引する役割があること、すでに実践に応用され経済社会の発展と国家の
安全保障に重要な貢献をしていること、の3つのレベルの良質な成果は、段階ごとに重みづけをしてよい。

 
 省レベルの科学技術計画プロジェクトで発生した代表論文と「3タイプの良質な論文」については、プロジェクトの特別資金に規定通りに支出に
計上することができ、「3タイプの良質な論文」以外の代表論文数は原則として2本以下とする。印刷費2万元以上のものは審査を厳しくし、
ブラックリストに入った論文は費用請求してはならない。
 

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