【ニュース・フランス】Horizon Europe、フランスがヨーロッパイノベーション評議会で優位に立つ

ヨーロッパ研究・イノベーションプログラム(Programme-cadre européen de recherche et d’innovation:PCRI)の枠組みであるHorizon 2020の恩恵によって、新たなプログラムであるHorizon Europeにおいて、フランスは優位な地位を確立することができた。Horizon 2020フォーラムでの成功によって、PCRIを精査し、ヨーロッパのイノベーションと国際協力の政策に関する問題に取り組むことを可能にした。また同時に、Étoiles de l’Europeの表彰とプロジェクトのコーディネーターを称する機会となった。
 
2019年12月10日にパリで開かれたHorizon 2020において、「近い将来、ヨーロッパの研究にとって希望が持てる発表を行う。」とドイツ連邦共和国 連邦教育研究省Wolf-Dieter Lukas局長は断言した。ジャック=シラク‐ケ・ブランリー美術館に、PCRIにおける当事者(意思決定機関、プロジェクトの遂行機関、支援機関、中小企業と実業家、欧州委員会の代表者と監督機関など)が多く集まった。彼らは既にHorizon 2020が役割を終え、2021年1月1日から新たに引き継がれるHorizon Europe に関心を向けていた。
 
ヨーロッパにおける、研究のインパクトと競争力を高めていくため、Horizon Europeは前回のPCRIに比べて新しくなったいくつかのポイントがある。最も注目すべきことは、ヨーロッパイノベーション協議会(European Innovation Council:EIC)の創設である。これによって強力なイノベーション、特に「deeptech」の分野を支援する。これらの高い技術は、先端科学の力と経済政策の進化によって支えられている。これらのプロジェクトは欧州研究会議(ERC:European Research Council)のような機関から助成金を受給しているが、欧州委員会は同時に、スタートアッププロジェクトの中心的存在にもなっていくだろう。
 
「EICの活動が、これらのプロジェクトに対する人々の関心を集め、成功をもたらす」と、国⽴保健医学研究機構(Institut national de la sante et de la recherche medicale:INSERM)の関連機関であるInserm TransfertのPascale Augé代表は発言した。この宣言による機運の高まりによって、委員会は始動段階からEICの立ち上げを進めてきた。結果としてフランスは、Horizon 2020を進める(助成金と資本金について)EICプログラムにおいて、中心的な地位を占めることに成功し、6つのプロジェクトと2000万ユーロの企業化支援を決定した。フランスはこの政策において、イスラエル及びPCRI Horizon 2020に関係する国々と緊密に連携している。
 
「フランスは 重要な役割を担う」と国立情報学・自動制御研究所(Institut national de recherche en einformatique et en automatique:Inria)代表で EICの諮問会議のメンバーであるBruno Sportisse氏は発言し、「教育と研究を促進し、その分野での雇用を生み出す」プロジェクトの実現を歓迎した。「世界一大きな多国間研究プログラムであるHorizon 2020は、国際協力を進める大きな原動力であった。」と欧州委員会の国際協力局長のMaria Cristina Russo氏は述べている。国立科学研究センター(Centre national de la recherche scientifique:CNRS)の研究部門長であるJérôme Chappelaz氏は自身のプロジェクトEpicaについて、「ヨーロッパの枠を超えた共同研究である」と述べている。これはオーストラリアからの参加があり、「海洋学の氷床コアの科学に適用するためのツールの開発」という研究テーマである点において、そのような特徴があると言える。
 
欧州委員会はHorizon Europeによって、第三国でのプログラムの創設を継続し、特に近隣の国々の参加を簡易したと考えている。一方、戦略的に優先すべきプロジェクトの策定も行った。しかし、EU離脱によって政策が激動するイギリスとの最終交渉には至らず、Horizon Europeの創設は最終決定されなかった。
 
12/12
 

cnrs: Horizon Europe : la France marque des points dans l’EIC
 

地域 西欧
フランス
取組レベル 国際機関レベルの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究