【ニュース・フランス】人文社会科学COMMONSのEquipExのための財政支援(2)

 
人文社会科学における開かれた科学の課題への対応
 
人文社会科学では、様々且つ豊富な研究テーマを提供し、広範囲の分野にわたる。しかし、この多様性によって、ツールや複雑でハイブリッド
なデータフォーマット(ビデオ、インタビューなど)、関連する結果(人工知能からモノグラフの発行に至るまで)が激増し、断片化には
つながっている。

 
しかし研究は、共有や連関が難しいため、社会的影響や分野を超えた研究の可能性が制限される。「データと出版物の間のリンクは、開かれた
科学の知見生産の課題の中心である」とOpenEditionの研究インフラ局長で、COMMONSプロジェクトの責任者であるMarie Pellen氏は説明する。
「我々は、その共有を促進しながら、より良いリンクと構造化をしていく必要がある。」

 
このため、コンソーシアムは、人文社会科学の開かれた科学の推進において既に取り組まれている以下の3つのインフラを基に成り立っている。
その中で、OpenEditionの研究のインフラは、オープンアクセスの科学的コミュニケーションの課題に応え、TGIR Huma-Numインフラは、
人文社会科学の研究データの管理(処理、保存、拡散)によって科学者やプロジェクトを支援する。

 
どちらの構造も、リヨンにあるIN2P3の計算センターの情報インフラによって支えられる。Métopesインフラは、カーン大学が受け持っており、
デジタル環境下における編集コンテンツの構築、標準化、普及のためのツールの開発と展開によって、構造化された出版に利用される。
これら3つの要素によって、データから出版物まで、出版物からデータまでという全体のつながりがカバーされる。

 
「私たちの目的の一つは、それぞれの活動分野や能力に基づき、デジタル環境と研究者を対象とした、ライフサイクルと研究文書の使用に関して
透明性があるように構築されたサービスを開発
することである」とMétopes の責任者であるDominique Roux氏は述べている。

 
COMMONSの目的は、3つの軸を中心に開かれた科学の活動を抜本的に促進させることにある:データの公平性、出版物とオープンデータの間のリンク、
人文社会科学のコミュニティのスキルの向上。その目標に則り、対話を促し、証拠によって他の管理方法を提案することである。「これはデータ
生産の最初から、さまざまなレベルでサポートとサービスを提供するインフラに基づいており、そして、持続可能、相互運用可能で、再利用できる
可能性がある」とHuma-Numの責任者Olivier Baude氏は述べている。
 

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CNRS: Un financement pour l’EquipEx en sciences humaines et sociales COMMONS


地域 西欧
フランス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
研究支援 研究助成・ファンディング