【ニュース・フィンランド】留学生が卒業後もフィンランドに留まる理由(2)

 
背景要因

 
 背景要因を調べると、フィンランド人の配偶者との結婚やフィンランドで子供や他の家族を持つことは留まる確率を高めた。

 
 「とりわけ家族の絆で、子供を持つこと(13%から15%へ)、フィンランドに居住する少なくとも1人の親(他の家族)がいること(22%から
34%へ)、結婚すること(複数の形で、5%から20%へ)は、滞在のより高い確率に関連していた」と、マティースとカルフネンは述べた。

 
 「これは、より多くの移民(学生またはそれ以外)が雇用状況に関係なく、ある場所に根ざしているほど(家族や住宅)、彼らの留まる可能性
が高くなることを示すEU全体の研究と一致する」。

 

政府の政策において対象となった高い滞在率

 
 マティースとカルフネンは、留学生が滞在し続けることを奨励するための過去20年間の政府の政策における強い傾向を見出した。

 
 「フィンランド政府は、2001年以降、フィンランドへの留学生の誘致、維持、そして統合を目的とする数々の政策を制定した。フィンランド
の政策におけるこの焦点に関して特記される2つの主な理由は、国際性を向上させることで、フィンランドの教育機関の評判と名声を改善すること、
また労働市場のために利用可能な熟練労働を増やすことである」と、彼らは述べている。

 
 2018年、フィンランド政府は、留学生の居住及び労働許可を司どる欧州連合(EU)の指令(卒業後最低9ヶ月)を超えて、就職活動のために、
48ヶ月まで延長する可能性がある、24ヶ月までに引き延ばした。

 
 2013年、フィンランド政府は、「留学生は、フィンランドの労働市場にとって重要な資源である」という認識を表明している「移民の将来
に関する2020戦略政府決議」(2020戦略)を発表し、2020戦略文書は、移民と留学生を支援し、フィンランド社会や労働市場に彼らを統合
する政策を要請している。
 

フィンランドの家族の絆と「幸福な国」

 
 2つの要因が互いに補強し合うということを彼らは見出した。「雇用、人口統計、そして我々のモデルにおける学位プログラムと高等教育
機関の特性に関して照査しつつ、すべての家族の絆の調査結果が肯定的であったことは、家族が理由で留まる卒業留学生にとって、フィンランド
が魅力的であることを示唆している」。

 
 フィンランドが、家族を育てるのに世界で最高の国の一つとしてランク付けされているように、このことを確認できる複数の裏付けが
あったと、彼らは述べた; 小中学校の安全性と質の高いレベル; そして世界幸福度報告書2019によると、世界で最も幸福な国として認められている。

 
10月17日
 


<出典> University World News: What makes international students want to stay on or go?

地域 北欧・バルト三国
フィンランド、その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組
人材育成 若手研究者育成