【ニュース・フィンランド】修士課程国際プログラムの応募者数の増加

 
2017年秋にフィンランド国内の大学で導入された、欧州連合(EU)と欧州経済連合(EEU)域外の学生からの授業料の徴収により、ヘルシンキ大学など国内の大学では学生の応募者が大幅に減少したが、2018年の応募者は減少前の数を上回るものだった。
 
2017年に国内全土の授業料が4,000ユーロ(※約53万2,000円)から2万ユーロ(※約266万円)に増額したのに対し、ヘルシンキ大学の授業料はその中の最たるもので、1万3,000ユーロ(※約173万円)から1万8,000ユーロ(※約240万円)に増額したことを考えると、この継続的な需要はより重要な意味をもつ。
 
この戦略の重要な部分は、世界的な諸問題に焦点を当てた新しい学位プログラムを導入することによって留学生を引きつけるための後押しとなることである。大学はデジタルマーケティングにも注力している。
 
その他の改善点として、出願プロセスが簡素化され、学生サービスが強化された。
 
2017年にヘルシンキ大学の修士課程の国際プログラムへの出願数は1,606件で、前年から30%減少した。しかし、2018年には前年から83%増の2,946件の出願を受けつけた。環境変化と世界的な持続可能性に関する新しい修士プログラムは人気のプログラムにランクインした。
 
この応募者数の増加は、ヘルシンキ大学による改革の成果であり、それは全世界で課題となっている事柄に焦点を当てた学士及び修士プログラムに重点を置いたことに起因する。
 
ヘルシンキ大学のJukka Kola学長は「我々は世界の教育市場に早く加わりたいと思っていた。 そのため、2016年から17年にかけて、計画と料金設定に関して多くの市場分析を行うとともに、ルンド大学のようにEU域外の学生に対する授業料の徴収が導入されてからも多くの学生の獲得に成功している数多くの事例を参考にした」と、University World Newsに語った。
 
2017年は、2018年の募集のために、マーケティング活動をどのように改善すべきかを慎重に分析する試行の年であった。
 
「ソーシャルメディア等のデジタルマーケティングの活用は、体系的で戦略的だった。その結果、授業料の導入から数年後には留学生の数が急速に増加した。近い将来、これまでにないほど多くの留学生を受け入れることが見込まれる」と Kola学長は述べた。

前年と同様に、応募者の中で最も多くはパキスタン、中国、ガーナからの学生であった。それら以外にも、 インド、コロンビア、エクアドル、チリ、ペルー、インドネシア、米国、香港、ロシア及びベトナムからの学生の応募が著しく増加し、合計127カ国からの申請があった。
 
※ 円表記はJSPSストックホルム研究連絡センターが追記
 
University World News:International masters programmes turn slump around
 

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