ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は、2019年の新たな優先プログラム(Schwerpunktprogramme:SPP)を14件採択した。SPPでは、最新の研究分野や新興研究領域の科学的な基盤研究を目指している。ドイツ最大の研究助成機関であり、学術に関する中心的な自治機関であるDFGの評議会は、提出された53件のイニシアティブの中から新たなSPPを選考した。
今回採択されたプログラムは、人文科学、社会科学、生命科学、自然科学、工学の全専門分野をカバーしている。それらのテーマは、デジタル画像、発育と疾病における3次元ゲノム構造、神経系の進化的最適化、ペロブスカイト半導体、特性統制された形成プロセスなど多岐にわたる。
全てのプログラムは非常に学際的で、革新的な方法を使用していることが特徴である。若手研究者の育成は中心的な要素であり、新たなSPPの確立のための不可欠な前提条件の一つである。さらに、全ての新SPPには男女平等の概念がある。
今回採択されたプログラムは、それぞれの研究課題を設定している。今後数か月内に、DFGはそれぞれのSPPについて公表するとともに、後続の申請に関して、科学的な質の高さや各研究課題への貢献度により審査を行う。14の新SPPについては、最初の資金配分期間である3年間に総額約8,000万ユーロが配分される。これに加えて、間接経費として、プログラム経費の22%が配分される。優先プログラムは通常6年間の助成を受ける。現在、98のプログラムがSPPとして支援されている。
研究分野別の新たな優先プログラム:
人文社会科学
- 計量的文学研究
- デジタル画像
- イラン高原:前近代社会におけるレジリエンスと統合
生命科学
- 発育と疾病における3次元ゲノム構造
- 神経系の進化的最適化
- 機能的相分離の分子メカニズム
- ラジオミクス:次世代医療画像処理
自然科学
- 適応性のある切り替え可能な表層の動的湿潤
- スケール横断的分析、細胞間及び細胞・バイオリアクター相互作用(細胞間)のモデリングによる新規生産プロセス
- ペロブスカイト半導体:基本特性から応用まで
工学
- フロー生産方式による適合型モジュール構造:迅速、低廃棄物、コンバーチブル
- 特性統制された形成プロセス
- 協調的多段階多重安定的マイクロアクチュエータシステム
- ユビキタスコンピューティング環境におけるスケーラブルな相互作用パラダイム
2018年3月16日
DFG:DFG richtet 14 neue Schwerpunktprogramme ein