【ニュース・ドイツ】Anja Karliczek大臣:新型コロナウイルスのよりよい理解のための研究を促進

 
BMBFが新薬開発の支援布告を開始、新型コロナウイルスに対する有効物質を世界中が待ち望んでいる。

 
 ドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung : BMBF)は、ウイルスの理解を深め、呼吸器疾患COVID-19の治療法を見つけようと努力する研究者を支援するため、新型コロナウイルスSARS-CoV-2の研究に対する資金提供を加速している。
 

Anja Karliczek大臣は次のように述べた。

 
 「新型コロナウイルスの世界的な蔓延とドイツにおけるその疾患により、多くの人は当然の不安に満ちている。連邦政府は、感染症の蔓延を食い止め、罹患した人々にとって効果的な治療を確保するために尽力している。

 
 一刻も早く医学が新型ウイルスに効果的に対抗できるよう、研究努力を拡大し、加速させている。そのため、我々の省は今週火曜に資金提供のための公募を発表した。目的は、研究者がウイルスの生態とその感染経路についてより良い理解を得ることができるようにし、薬剤や他の治療法の開発を進めることである。

 
 これには、既存の薬剤がCOVID-19の治療に活用し得るどうかの試験も含まれる。連邦教育研究省は、この新しい取り組みに最大1,000万ユーロを提供している。この資金提供は、COVID-19に対するワクチン開発のためのBMBFの継続的な支援を補完するものである。」
 
背景:

 
 今回のプロポーザル 公募の目的は、研究者が通常の資金調達手続きよりも迅速にプロジェクト資金を獲得できるようにすることである。必要な申請書の審査と評価に要する期間はほんの数週間である。BMBFは既に、プロジェクト資金と機関資金の両方において、ドイツにおける研究の現行の取り組みを支援している。これには、例えば、ドイツ感染症研究センターなどが含まれている。

 
 世界保健機関(WHO)のリーダーシップのもと、世界の研究コミュニティは、現在のコロナウイルスの発生に対応して共通の研究優先事項を策定した。すでに様々な国際的なファンディング・エージェンシーが、新しい治療法を開発するための早急な対策を打ち出している。

 
 BMBFは、他の多くのファンディング・エージェンシーと同様、国際的な研究資金提供機関間の協力のための国際的なプラットフォームであるGloPID-R(Global Research Collaboration for Infectious Disease Preparedness)のメンバーである。このネットワークは、伝染病が発生した場合に、連携した研究対応を迅速かつ容易に開始することを目的として設立された。

 
 ワクチンの開発は既に様々な場所で国際的に進められている。ドイツでは、CureVac社 (CureVac AG)において、新型コロナウイルスに対するワクチンが「感染症流行対策イノベーション連合」(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations : CEPI)の枠組みの中で開発されており、CEPIもまたBMBFから総額9,000万ユーロの支援を受けている。WHOとの緊密な協力のもと、CEPIは、数ヶ月以内という通常よりもかなり短期間で最初のワクチンを臨床試験のステップへと進めるという目標を掲げている。
 

2020年3月3日
 


BMBF: Forschung für ein besseres Verständnis des Coronavirus beschleunigen
 

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
国際交流 国際化
社会との交流、産学官連携 産学官連携