【ニュース・ドイツ】研究不正:文書による戒告と二年間の応募資格の停止

 
ドイツ最大の研究助成機関であり、学術に関する中心的な自治機関であるドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft :DFG)は、ボンにおいて、老年学者でありゴットフリード・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞受賞者であるカール・レーンハルト・ルドルフ教授に対し、研究不正に関するDFGの取扱手続規定に則って、「文書による戒告」を発し、「DFGの助成金への二年間の応募資格の停止」を課した。この際、DFGの協議会は、研究不正調査委員会の提言に従った。
 
ある論文におけるデータ改ざんの告発を受けて、DFGは2016年に、最終著者であった当該研究者への調査を開始した。DFGの調査が一時中断されたのと同時に、ライプニッツ学術連合も監査を実施した。ライプニッツ学術連合の理事会は、当該研究者に対する研究不正の確定と複数の措置をもって、2017年6月にこの手続きを完了させた。
 
2017年6月の時点ですでに、当該研究者へのDFGの調査手続きは完了していた。この際、研究不正調査委員会は、ライプニッツ学術連合による調査の最終報告書と、研究者個人への聴問会での内容に基づき、DFGの助成を受けた計三点の出版物の中に誤った図像が掲載されていたとの結論に達した。当該研究者は、これらの出版物の最終著者もしくは責任著者であり、調査において本人が認めているように、図像の誤りを認識することが可能であったし、認識すべきであった。
 
それゆえ、調査委員会はDFGに、研究不正に関するDFGの取扱手続規定に則って適切かつ妥当な措置として「文書による戒告」と「二年間の応募資格の停止」を提言し、DFGの協議会によって決定された。「これにより、当該研究者の怠慢は、適切に対処されることになるだろう」と、調査委員会長であるDFGのツヴォニック事務総長は、協議会の決議後に述べた。
 
ツヴォニック事務総長が強調したように、問題となった出版物は、不正なデータに基づいたものではなく、また、2009年に当該研究者の基礎研究を称えて贈られた、DFGのゴットフリード・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞授与との関連はない。当該の三点の出版物は、受賞後に出版された。
 
2017年12月15日
 
DFG:Wissenschaftliches Fehlverhalten : Schriftliche Rüge und zwei Jahre Antragssperre

地域 中東欧・ロシア
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