【ニュース・ドイツ】この研究者たちは未来を変える

 
連邦教育研究省(Bundesministeriums für Bildung und Forschung :BMBF)のアンヤ・カリチェック(Anja Karliczek)大臣とフンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung :AvH)のハンス・クリスチャン・パーぺ(Hans-Christian Pape)会長がフンボルト教授職を授与
 
2018年5月8日(火)ベルリンで、ドイツにおいて最も権威のある研究に対する賞であるフンボルト教授職の授賞式が行われ、トップレベルの外国在住の研究者10名に、BMBFのカリチェック大臣とAvHのパーぺ会長から授与された。この授賞式では、2008年に始まったフンボルト教授職の10周年記念行事も併せて行われた。
 
ドイツ国内の大学や研究機関から推薦された受賞者は、近日中に各推薦機関での研究を開始する予定である。受賞者のうち、実験系研究者には500万ユーロ、理論系研究者には350万ユーロが贈られる。
AvHのパーぺ会長は、次のように述べた。
 
「フンボルト教授職受賞者たちは、新しいワクチンの開発や細胞老化のコントロール、発電所の制御システムの安全性向上などの研究内容に関わらず、研究によって私たちの生活に変化をもたらしている。受賞者は、基礎研究を実施し、その基礎研究との関連性がまだ明らかでない問題に対する答えを見出すため、5年間研究に十分集中する自由を与えられる。
 
また、受賞者は、ドイツの研究方法や大学に変化をもたらしている。彼らは、全く異なった母国での経験やバックグラウンドを私たちに提供している。このことが、ドイツの組織に新鮮な風を呼び込み、大学の活動を刺激して、従来の研究領域の壁を壊し、新たな学際的ネットワークを作り出すことにつながる。フンボルト教授職は刷新と学際的協力の象徴となっている。」
 
フンボルト財団は、あらゆる学問分野において外国で研究に従事している国際的にトップレベルの最大10名の研究者に、毎年フンボルト教授職を授与している。候補者の優れた研究業績に加えて、大学が候補者およびその研究チームに対し、戦略的構想をもってドイツにおける長期の研究の見通しを提供しているかどうかは、申請の評価において決定的に重要である。この賞は、BMBFから資金提供を受けている。
 
受賞者は以下の通り。

  • Anne van Aaken:スイス・ザンクトガレン大学(法学・経済学)所属。ハンブルク大学が推薦。
  • Wil van der Aalst:オランダ・アイントフォーヘン工科大学(インフォマティクス・コンピューターサイエンス)所属。アーヘン工科大学が推薦。
  • Peter Baumann:米国・カンザス大学医療センター、ストワーズ医学研究所およびハワード・ヒューズ医療研究所(細胞生物学)から推薦機関へ移籍済み。ヨハネス・グーテンベルク大学マインツおよびマインツ分子生物学研究所が推薦。
  • Marco Caccamo:米国・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(コンピュータ工学・リアルタイムシステム)所属。ミュンヘン工科大学が推薦。
  • James Conant:米国・シカゴ大学(哲学)所属。ライプツィヒ大学が推薦。
  • Ewa Dąbrowska:英国・バーミンガム大学(認知言語学)所属。フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクが推薦。
  • Arno Rauschenbeutel:オーストリア・ウィーン量子科学研究センター(量子光学・原子物理学)所属。フンボルト大学ベルリンが推薦。
  • Guus F. Rimmelzwaan:オランダ・エラスムス大学医療センター(ウイルス学・免疫学)所属。ハノーバー獣医科大学が推薦。
  • Michael H. Sieweke:フランス・フランス国立科学センターおよびマルセイユ・ルミニー免疫学センター(免疫学・幹細胞研究)所属。ドレズデン工科大学が推薦。
  • Raul Fidel Tempone:サウジアラビア・キング・アブドゥッラー科学技術大学(応用数学)所属。アーヘン工科大学が推薦。

 
2018年5月8日
 
AvH:Diese Forscher kommen, um zu verändern
 

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