2018年4月24日、デンマーク政府は80以上の高等教育機関、研究機関、企業、非営利団体、私立財団と科学技術協力協定を締結した。
関係大臣が同席した場で署名された協定の目的は、科学・技術・工学・数学といったいわゆるSTEM(science, technology, engineering and mathematics)分野を専攻するより多くの学生を獲得することである。
この協定は80の関係機関により署名され、250人が調印式に参加した。同協定は2025年までにSTEM分野を専攻する学生を20%、すなわち10,000人増やすことを目指している。
長年にわたり準備を進めてきた協定の背景には、2017年に民間企業で求人募集があった33,000件のうち、わずか25%がSTEMの学位取得を要件としていたという調査結果がある。
協定の調印式には、Brian Mikkelsen経済産業大臣、Merete Riisager教育大臣、Søren Pind高等教育・科学大臣、Troels Lund Poulsen雇用大臣が参加した。Pind大臣は、「ASIM(Atomosphere-Space Interactions Monitor)と呼ばれる宇宙空間での雷光現象の観測装置が2018年4月2日に宇宙に打ち上げられ、そこで起きている現象について多くの情報を我々に提供している。これは我が国において過去最大の宇宙プロジェクトであり、大学と企業が連携して、高度な科学技術を発展させるという好事例の一つである。我々は、より多くの若者が科学技術とITに関する学部に出願するよう、彼らの自然科学への関心をかき立てる必要がある。我が国で科学技術に関する知識を創造し、促進するためにはSTEMの学位を有する若者が必要である。」と言及した。
政府は、2021年まで、このプロジェクトに7,500万デンマーククローネ(約13億円*)を配分する。また、同国の主な財団であるNovo Nordiskと製薬会社のLundbeckもこの協定を支持している。
*円表記はJSPSストックホルム研究連絡センターが追記
2018年5月4日
【出典】
University World News:Pact to attract 10,000 more STEM candidates by 2025