【ニュース・フィンランド】欧州委員会がフィンランドの目標を満たすHorizon Europe計画を発表

2018年6月7日、欧州委員会(European Commission:EC)は2021年~2027年の7年間を対象とする研究とイノベーションのフレームワーク・プログラムHorizon Europe(HE)に対し、約1,000億ユーロ(12兆5千億円*)の予算を配分する提案を発表した。

 

HEは、将来の研究開発及びイノベーションへの投資に関する方向性を明確にするとともに、地球規模の課題への解決策を模索し、持続可能な開発を促進することを目的としている。欧州研究会議(European Research Council:ERC)は、このプログラムの一環として、最先端の研究を行うトップクラスの研究者や研究グループに助成金を提供する。同委員会はまた、市場創造型イノベーションの支援を目的とする新たな評議会の発足を提案する。

 

6月6日、同委員会は戦略的にデジタル能力を強化するための「デジタル・ヨーロッパ・プログラム」を発表した。その目的は、社会と経済のデジタル・トランスフォーメーションを形成し支援することである。
本プログラムは、人工知能など、未来における主要な産業技術及び、産業転換、サイバーセキュリティ、デジタル技術の支援に焦点を当てている。

 

Mika Lintilä経済大臣は、「我が国は、欧州の全予算における研究・開発・イノベーションに関する相対的な予算配分を高めることを目標としている。私は今回の委員会の提案を歓迎している。研究とイノベーションは、技術、改革、経済発展の可能性を切り開く上で、特に重要である。そして、人工知能、サイバーセキュリティ、データ・エコノミーは、とりわけ重要な投資対象である。デジタル・ヨーロッパ・プログラムは、人工知能の適用とサイバーセキュリティ社会の先駆けとなる我々の努力を後押しするだろう。」と主張した。

 

Sanni Grahn-Laasonen教育文化大臣は、「将来の欧州の予算が最先端の研究を支援し、それによって、技術の基礎を築くことは重要なことである。教育、技術、研究は、競争力を有する統合された欧州の実現に向けた基盤となるものである。新たなエラスムス+(Erasmus+)教育プログラムとHEは、我が国の高等教育、研究、イノベーションの質と効果を向上させるだろう。」と述べた。

 

フィンランドは、欧州連合(European Union:EU)加盟国全体を通じて、研究助成金の享受国となっている。資金配分期間にフィンランドが受け取った総額は、約6億5,000万ユーロ(815億円*)に上る。本プログラムは自由競争の元に審査され、質の高いプロジェクトに対して助成金が配分される。

 

*円表記はJSPSストックホルム研究連絡センターが追記

 

2018年6月7日

 

【出典】
フィンランド教育文化省:Commission proposal for Horizon Europe meets Finland’s objectives

地域 北欧・バルト三国、EU
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