【ニュース・デンマーク】学生が5つの都市でデモを実施

 
数千人のデンマーク学生が、大学教育に対する政府の取組に抗議して、2017年10月5日に、コペンハーゲン、オーフス、オーデンセ、オールボー、ロネーネでデモを行うことが予測されている。報道機関Ritzauによれば、抗議を行う教育同盟は、40の異なる組織から構成されている。
 
同組織の代表者であるSana Mahin Doost氏は、近年の高等教育への国の介入によって、学生が心配と不満を感じていることに触れ、「私たちの教育は年々悪化しています。特に、教師の負担が増え、個々の指導に時間を割くことができないことに加えて、職業プログラムに参加する資金が不足しているのです。」と述べた。
 
抗議の焦点は、高等教育機関に対する年間予算の2%を削減するとした、いわゆる再優先順位付け寄付金で、教育同盟によると、2020年までには150億デンマーククローネ(※約2,700億円)以下の全体的な削減となる。
 
Lars Løkke Rasmussen首相は、国会の開会演説で、「政府は教育予算をこれまで以上に増やしており、高等教育だけに300億デンマーククローネ(※約5,400億円)以上を費やしています。それは10年間で30%の増加に相当します。」と述べた。
 
この数字自体は正しいが、その増加の直接的な理由は、高等教育の学生数の増加であり、各学生に投資される金額は減少している、と教育同盟は述べている。
 
デンマークの連立政権の一員である自由党は、研究と教育に損失を与えずに高等教育への予算を削減することが可能だと主張する。「民間部門では、常に生産性を批判的に見直して改善する必要があります。公共部門の指導者は、おそらく民間と同じ方法で生産性を検証することには慣れていないのです。」と党の教育代表者であるHenrk Dahl氏は語った。
 
※ 円表記はJSPSストックホルム研究連絡センターが追記
 
THE LOCAL dk:Danish students to demonstrate in five cities
 

地域 北欧・バルト三国
その他の国・地域
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
大学・研究機関の基本的役割 質の保証
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