【ニュース・フィンランド】政府2030年度へのビジョン~高等教育及び研究開発への投資~

 
フィンランド政府は、2030年に向けた高等教育と研究の将来構想を公表した。そこには、少なくとも若者の50%は高等教育を修了するという数値目標や、研究開発費をGDPの4%に引き上げるという公約が盛り込まれている。現在のフィンランドの高等教育修了率は40%で、韓国の70%、カナダと日本の60%と比較して低い。また研究開発費が占める割合は、GDPの3%未満である。
 
本構想は、高等教育関係者からの幅広い参加により策定された。全ての関係者が、応用科学系大学と大学の両方から職員と学生の意見をまとめたプロセスに満足の意を表明している。一方で、フィンランドには現在、14の大学と23のポリテクニックが存在しているが、2030年にはこれらの高等教育機関の数が減少すると明確に記載されている点が議論を呼んでいる。
 
フィンランド独立100周年記念式典の中で、本構想を発表したSanni Grahn-Laasonen教育文化大臣は、「専門家を巡るグローバルな競争は厳しくなっています。フィンランドには、最も有能な国になること以外の成功戦略はありません。フィンランドは、世界で最も訓練された労働力の育成を目指すべきです。それには、高等教育、社会に開かれた教育の提供と継続的な学習、国際的なネットワーキング、質、有効性、研究・開発・イノベーション活動への強力なインプットが必要です。」と述べた。
 
本構想では、2030年までに全人口の知識層が増加すると予測している。誰もが高等教育を利用できるようになり、若い成人(25~34歳)の少なくとも50%が高等教育を修了することになる。個人のニーズに対応した柔軟な進路選択と学位取得は、人生の多様な局面での継続的な学習を可能にする。そして、高等教育機関での教育を提供することにより、様々な利用者が柔軟に利用できるようになるだろう。そのため、より実用的な高等教育機関だけに集約されることになる。
 
本構想の目的は、研究開発活動への投資を増大させることである。そのため、研究開発への公的及び私的投資はGDPの4%に引き上げられる。先駆的なネットワークにおける大学とポリテクニックの国際協力は、高等教育機関の質を強化する。フィンランドでは、「異なるアクターを集約した国際的に魅力のある研究とイノベーション」を生み出すことになるだろう。
 
University World News:Vision for 2030 commits to investment in HE and R&D
 

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