【ニュース・タイ】工学分野を重点化するタマサート大学

 
タマサート大学工学部(Thammasat School of Engineering:TSE)はこの度、「未来に向けた卓越工学センター」(the Center of Excellence in Engineering for the Future at Thammasat University)を開設した。
 
Thira Jearsiripongkul工学部長はこのセンターの主な目的は、体系的に考え、絶えずニーズが変化する工学の世界に適応できる新しい学生を生み出すことであるとし、以下のように述べた。
「我々は実践性を最も重要な要素と位置付けている。そのために、このセンターが学生自身のアイデアを表現したり、彼らが開発した技術を実際に試し、工学スキルをみがく現実社会のシミュレーションの場としての役割を果たすことを期待している。このような機会を与えることで、学生はこれからの彼らを待ち受ける不確実な外部環境の変化に対して準備をすることが出来ると考えている。」
 
TSEはこのセンターを設立することに加え、TSE自体が同大学の医学部と共に医療工学分野をけん引する存在となることを目指している。
 
Thira工学部長は高齢化社会を迎えつつあるタイにおいて、人々は今後多くの課題に直面することが予想されるが、そのような状況下において医療工学は重要な役割を果たしうる、との認識を示している。
 
TSEの医療工学のプロジェクトの一つとして現在開発中のものが、アルツハイマーやパーキンソン病の高齢者のための“Tidtam”と呼ばれる装置である。
 
ブレスレッドやアンクレットの形で腕、足、手首に装着するようにデザインされているこの装置は高齢者の家族や介護者のスマートフォンの専用アプリとリンクし、高齢者の所在を確認することを可能にするものである。
 
万が一、高齢者があらかじめ指定されたエリアから外に出てしまうと、この装置から自動的に家族や介護者にアラームが送られる。また、緊急の助けが必要な場合や体調の急変等があった場合には、高齢者自身からアラームを送ることも可能となっている。
 
2019年3月21日
 
Bangkok Post:Thammasat puts focus on engineering

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タイ
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