【ニュース・タイ】マヒドン大学、協働ワークスペースをオープン

 
マヒドン大学(Mahidol University)工学部はそのキャンパス内に若手イノベーターによるテクノロジースタートアップの創出拡大と発展促進を目的とした協働ワークスペース“Innogineer Studio”を開設した。
 
Jackrit Suthakorn工学部長は以下のように述べ、この施設が学生や卒業生、一般市民にダイナミックな環境を提供し、市場に新たな製品をもたらす場となることへの期待をにじませた。

「工学部の中心部に位置する総工費2千万バーツのこの施設が、イノベーターから起業家への進化を可能にする場を提供するだろう。この施設は実験室、協働スペースその他イノベーターが彼らの最新の製品を展示することができる空間を一通り備えている。そして特筆すべきは、この『ふ卵器』とも呼べる施設がイノベーターのアイデア実現化を助けるようにデザインされていることである。」
 
開設式典では、工学部電気工学科のZeng Lertmano講師より、この’Innogineer Studio’で開発が予定されている “Feukfon”と“Dernadee”というふたつの装置が紹介された。
 
どちらもまひ患者の運動機動の回復を助ける装置で、“Feukfon”は患者の運動調整技術の向上のために開発された装置、“Dernadee”は高齢者によくみられる歩行困難な痛みを伴う歩行異常である下垂足の患者の歩行補助のために設計された装置である。
 
同講師によると、最初の実験段階で、日常的な使用の場面で数名の患者が“Feukfon”の画面に表示された動く対象を自分の手で追いかけることが出来るようになった、とのことである。
 
教育副大臣Udom Kachintorn氏は、Innogineer Studioの創立はタイの教育が前進している証しであるとし、以下のように述べた。

「タイは出遅れている。我々はイノベーションを生み出さなかったために20年以上中所得国の罠から抜け出せずにいる。大学をはじめとする教育研究機関は、単に「従来型の」労働力となるためだけの知識を授けるのではなく、イノベーターになるために必要なスキルを学生に教授して欲しい。新しい世代の学生は彼らの学習スタイルを変化させているため、大学は過去の遺物となる可能性もあり、このような変化に対し教育研究機関は早急に対応しなければならない。」
 
2019年3月19日
 
Bangkok Post:Mahidol University opens ‘makerspace’

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 高技能職業人材の育成
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