【ニュース・タイ】労働者のスキルアップは新省の目標

教育省副大臣のUdom Kachintorn氏は、就職率が低い学部と、タイ・デジタル経済社会開発20カ年計画もしくはタイランド4.0の目指すビジョンに沿っていないスキルに焦点を当てている学部については、新しい教育・科学技術関連の省の発足とともに補助金を減額することを発表した。
具体例として社会科学と公衆衛生科学に関連する学部が含まれているとし、公衆衛生分野の学部では毎年10,000名以上の卒業生の大多数が就職できておらず、社会科学分野の学部の卒業生についても同じ状況が当てはまることを指摘した。

 

2018年8月24日『New Ministry:Opportunities and Challenges』をテーマにカセサート大学(Kasetsart University)で行われたセミナーにおいて、新省設立の担当者である同氏は、この新省は独自の評議会を持つ大学への介入を強めるものではないと述べた。ただ、この予算方針は、労働市場の需要にマッチしない多くの学部を閉鎖するか縮小することを大学に対して強制することになる。

 

Udom氏は加えて以下のように発言している。
「新しい省の予算は国家の掲げる目標に沿う積極的な改革を実施する大学に対して重点的に配分する。新省の下、国家の要請に合致する分野の学生には一人当たり120,000~150,000バーツの予算配分を行う。しかし、労働市場のニーズを満たしておらず、結果として多くの卒業生が就職できていない学部の予算は減額する。これは各大学が強みや専門性のある分野に集中してもらうべくプレッシャーをかけ、方針を修正させるためだ。
例えば、マヒドン大学(NaMahidol University)とラチャパット大学群(Rajabhat Universities)はそれぞれ強みのある分野が異なるので、競合することはあり得ないはず。個々の大学において広く浅くすべての分野を網羅的に強化することは不可能であり、タイの大学は今後全ての分野で競争していく必要がある。他の大学が開講しているという理由だけで学部を開設しているケースもある。」

 

新省の発足に関わっている科学技術省のSuvit Maesincee大臣は、以下のように発言している。
「タイの大学が、タイ・デジタル経済社会開発20カ年計画もしくはタイランド4.0の目指す基準に合致する高いスキルを保持した質の良い人材を輩出するだけでなく、研究とイノベーションの先駆的な役割を果たすようになることが目標である。これらを達成することでタイは中進国の罠から抜け出し、先進国入りを果たすことが出来る。我々は今、混沌の時代を生きている。外国の技術に頼るだけではGDPを押し上げ、中進国の罠から抜けだすことはできない。そのためにも、国際的な競争に参加するための改革が必要で、我が国の大学は先陣を切ってその改革に臨むべきなのだ。新省の短期的な目標として、自然科学専攻の学生と社会科学専攻の学生の比率を現在の30:70 から50:50にする。社会科学や人文科学の学部を軽視しているわけではないが、卒業生数が多すぎる現状は問題だ。」

 

国家立法議会は高等教育法案が11月までに可決されるとしており、新しい省は高等教育局と科学省の機能が合併されたものになる。

 

2018年8月25日

 

Bangkok Post:New ministry aims to upgrade workforce

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タイ
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