【ニュース・タイ】タマサート大学-労働力による東部経済回廊(EEC)計画の活性化に向けたプログラム

 
タマサート大学(Thammasat University)は、卒業生が政府の推進する東部経済回廊(EEC)計画に寄与することを狙い、学部学生の質の向上に向けた取組を進めている。
 
同大学は、イノベーション、テクノロジー、人材育成等EEC計画に関連する分野の強化のため、昨日タイ工業連盟(the Federation of Thai Industries:FTI)と覚書(MoU)を締結した。
 
「タマサート大学は、政府の掲げるインダストリー4.0の推進に向けたEECの開発に関心を持っている。自動車産業とソフトウェアエンジニアリングに関する学部でトレーニングプログラムを提供すること等を定めた協定に基づく開発のため、チョンブリ県のパタヤキャンパスが選ばれた。」と経営担当副学長(vice-rector for administration)のPornchai Tarkulwaranont准教授は述べた。
 
Somkid Jatusripitak副首相のアドバイザーでもある同氏は、引き続いて、タマサート大学はパタヤキャンパスをEEC計画の特別推進区域にするために、EECオフィスの設置を検討中であることにも言及した。
「パタヤキャンパスにはサイバーポートセンター及び共同作業用スペースが備えられた新しい建物があり、EECに進出する自動車産業関連企業のニーズに合致する教育や学習を支援することが可能だ。」
「タマサート大学は、昨年EECの開発の進展状況を見て、パタヤキャンパスを発展させることを切望してきた。このキャンパスでは近い将来航空宇宙工学や自動車用部品、ロボティクス、AIに関連するコースも提供するようになる。」
 
また、パタヤキャンパスに、600床の病院と医学部が新設されることにも触れ、「EECオフィスが特区を承認し次第、2019年内に病院と医学部の開発を開始する。この病院は300床をまず、タイ人に割り当て、次に300床をEEC内で働く外国人労働者に割り当てる。」とした。
 
同氏は2022年までにタマサート大学EECプログラムがスタートすると予想しているとのことだ。
 
タマサート大学長のGasinee Witoonchart准教授は、以下の通りコメントした。
「タマサート大学は、政府からEEC計画への協力について指定を受けているEEC域内の9つの教育機関の一つであるが、タマサート大学はFTIと連携して同計画推進に向けた教育評価基準を開発することが必要だ。同大学とFTIの双方が合意に達したら、タマサート大学EECプロジェクトの予算策定とプロジェクトの詳細を詰める。」
 
また、FTI議長Supant Mongkolsuthree氏は、11月にタマサート大学とFTIが協力委員会を設置するとして以下のように述べている。
「この委員会メンバーには有識者や事業者も含まれている。タマサート大学のEECプロジェクトによって、11のターゲット産業に対して貢献する卒業生を輩出するためだ。」
 
また、リカレント教育・人材育成機構長(director of Institute for Continuing Education and Human Resources) のSupachai Srisuchart氏は、政府のEEC計画のもとに設定された新しいターゲット産業は長期にわたりタイ経済をけん引していくとした上で、以下のようにコメントした。 
「タイの教育機関は労働市場が求める人材を輩出できず、一方で国内の高度人材は不足している。政府と教育省は事業者側との協議を行い、彼らがどのような人材を求めているか、教育セクターはどのような取り組みが可能なのかを見極めることが必要だ。」
 
(2018年10月19日 Bangkok Post紙)
 
Thammasat programme to furnish EEC with workers

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 高技能職業人材の育成
レポート 海外センター