【ニュース・タイ】タイの大学は生き残るために「変革しなければならない」

 
個々の目標に合わせ、オンデマンド・24時間提供可能な柔軟な学習
 
2019年11月8日に開催されたセミナーで、タイの大学はデジタル破壊の時代に生き残るために迅速な変革を遂げなければならない、という議論がなされた。
 
Patrachart Komolkitiチュラロンコン大学ラーニングイノベーションセンター長(Learning Innovation Centre at Chulalongkorn University)は、同大学で開催されたセミナー「The Smarter Future of Higher Education」で以下のように述べた。

「大学は将来、全ての年代の学生の学びの場にならなければならない。誰もが自分のキャリアの中で何度も学び直しをする必要があるため、大学で勉強するための年齢制限はなくなる。タイの出生率は劇的に低下しており、中等教育終了の学生にのみ頼ることはできなくなる。同時に医療技術の向上によりタイの平均寿命は延びることが予想されている。寿命が延びて働く期間も長くなるため、人々は新しい技術の習得のために大学を必要とするようになるだろう。
 
大学はより柔軟に、自分のペースで学びたい学生に応えるためにカリキュラムを見直さなければならない。また何よりも、大学自体が学生のための学習スペースになるよう変身しなければならない。大学は、学生の批判的・分析的思考を養う場所、学生が明敏に状況を認識する方法を学ぶ場所でなければならない。」

 
タイ国立開発局(National Institute of Development Administration:Nida)大学院開発経済学研究科(Graduate School of Development Economics)のPiriya Pholphirul局長は以下のように述べた。

「デジタルテクノロジーにより、人々はどこでもいつでも学習することが可能になった。大学はこの現代の学習方法に適応しなければならない。
 
学生は、ライフスタイルに合わせて、また、仕事やその他の活動に関する学習に即して、キャンパス内での学習やオンライン学習またはその組み合わせといった複数の学習方法を、継ぎ目なしに活用できるようになるだろう。柔軟な学習により、人々は各々の目標に最適な学習を、オンデマンドで24時間受けられるようになる。
 
大学がテクノロジーの発達した将来に適応するべく迅速に変革に着手しないことは、時代遅れになる危険を冒すことになる。また、未来の大学は学生を国際的、あるいは少なくとも地域的な視点を備えた地球市民になるよう教育しなければならない。
 
タイの大学は、まもなく国内だけでなく、タイ同様に学生数の減少に悩む海外の教育機関と競合しなければならなくなるだろう。世界のトップ機関は顧客を求めて新たな市場にサービスを拡大している。タイの大学が世界での地位を向上させることができなければ、学生は彼らに背を向けるだろう。」

 
2019年11月8日
 
Bangkok Post:Universities ‘must transform’ to survive
 

地域 アジア・オセアニア
タイ
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