【ニュース・タイ】インダストリー4.0にフォーカスした技術提携

 

提携により、実践の普及を加速

 
国立電子コンピューター技術センター(NECTEC)は、タイ工業連盟(FTI)と協力し、現在はわずか5-6%である国内の工場の少なくとも20%が2024年までにインダストリー4.0基準を達成できるようにすることを目標としている。

 
NECTEC 所長の Chai Wutiwatchai 氏は「製造業は、人件費の上昇により、多くの工場が人件費の低い他国へ移転する一方で、生産性の平準化という課題に直面している。」と述べる。

 
この発言は、12月13日に「持続可能な製造とサービスのためのデジタルトランスフォーメーション」をテーマに開催された NECTEC の年次総会と展示会において行われたもので、同氏によれば、このパンデミックにより、産業界のプレーヤーは競争力を維持するためにデジタル変革の加速を促されているという。

 
NECTEC は、IoT、人工知能(AI)、電子工学、機械工学の分野で、生産工程にデジタル機能を取り入れ、インダストリー4.0に乗り出す工場のサポートが可能な98人の研究者を集めていると、Chai 氏は述べる。

 
2021年、NECTEC はラヨーンのワンチャン地区にある東部経済回廊イノベーション特区にサステナブル・マニュファクチャリングセンター(SMC)を設立し、工場の需要に応える技術を導入する研究開発施設として機能させ、その課題解決と競争力の強化をしていく。

 
SMC が、工場のインダストリー4.0への準備状況の評価、技能開発、コンサルティング、基礎産業プラットフォーム、テストベッドの5つのサービスを提供することで、インダストリー4.0への移行を促進することができると考えられている。

 
工場が、インダストリー3.0からインダストリー4.0へと、少なくとも1段階レベルアップする手助けを NECTEC がしたいとChai氏。

 
「また、人間がロボットと一緒に働くインダストリー5.0に備え、人間が取り残されないようにする必要がある」と述べる。

 
高等教育科学研究イノベーション省の Pasit Lorterapong 副長官は、デジタルの導入により10-40%のコスト削減と10-20%の収益増加で、事業者の競争力をレベルアップできると指摘する。

 
製造業は国家 GDP の3分の1を占め、輸出全体の80%に貢献していると、同氏は付け加える。

 
FTI 会長の Supant Mongkolsuthree 氏は、国内の工場のうちインダストリー4.0を達成しているのはわずか5-6%であり、連盟としては3年以内に少なくとも20%の工場をこのレベルに到達させたいとしている。

 
「この目標を達成するためには、中小企業が技術投資を行うための資金的支援が必要である一方、その労働力はスキルアップとリスキルの対象とならなければならない。デジタル技術は、製造工程を変える上で重要な役割を果たしており、生産性の向上とコストの低減に役立つ」と Supant 氏は指摘する。

 
5G、IoT、クラウド、ビッグデータ、サイバーセキュリティ、ブロックチェーン、自動化、AI、さらに拡張現実AR や仮想現実VRが、今後数年間で製造業における重要なトレンドになると強調する。

 
世界の産業用ロボットの設置台数は、2024年まで年平均14%増加することが見込まれる。

 
2021年には世界で43万5000台の産業用ロボットが設置され、2024年には51万8000台に達することが予測されると、Supant 氏は付け加えている。

 


Bangkok Post: Tech partnership to focus on Industry 4.0


地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
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