欧州の首脳陣と欧州委員会は、高等教育の流動性と学生交流を促進し、学生の留学を可能にする統合された学習プログラムとカリキュラムを持つ欧州の大学ネットワークを構築するという提案を支持した。
欧州大学協会(EUA)によると、この提案は、EUの議題の中で長い間優先順位の低かった教育と文化にようやく重点が置かれる新しい時代が始まることを示唆している。
2017年11月17日にスウェーデンのヨーテボリで開催された非公式首脳会談で、欧州の首脳や政府代表者が高等教育に関する協力を深めるための方策を支持し、下記の提言に同意した。
- 中等教育の学位の相互認証と、ヨーロッパの高校間の交流を可能にする、新しいカリキュラムの開発を促進する。
- すべての学生を対象に、少なくともさらに2つのヨーロッパで使用される言語を話すことを目指して多言語使用を推進する。
- 将来の動向及び人工知能を含むデジタル革命に対応するために、「未来に向けての教育」について検討を開始する。
- 「ヨーロッパの学生証」を活用し、学生の留学と文化活動への参加を促進する。
Jean-Claude Juncker欧州委員会委員長は、会談に先立ち、「教育と文化は、個人にとっても、EU全体にとっても未来への鍵です。それは、多様性の中で、起こりうる事態をいかにして好機に変え、どのように反射鏡を窓に変え、いかにして『ヨーロッパ人』であることの意味を根付かせるか、ということです。私達は機会を逃さずにつかみ、教育と文化が、雇用創出、経済成長、社会的公平、究極の統一に向けた原動力であることを忘れてはいけません。」と述べた。
EUAのThomas Jørgensen上級政策コーディネーターは、加盟国が実行に移さない限りEUの首脳陣と欧州委員会の提案は実現されないが、Brexit後の27の加盟国に政治的意志があれば、きっと前進するだろうと述べた。 EUには、研究と教育を促進させるためにヨーロッパの大学ネットワークを設立しようとする明確な意志があると、同氏は確信している。
University World News:EU to prioritise deeper HE cooperation and mobility