【ニュース・スウェーデン】大学は戦略的に研究パートナーを選定しているか?

 
スウェーデン研究・高等教育国際協力財団(STINT)に発表された新たな報告書において、スウェーデンの研究機関の関係者は、スウェーデンの主要パートナーではない国々での研究の急速な発展を考慮して、将来の国際協力をどのように発展させるか再考すべきとの提案がなされた。
 
調査によると、スウェーデンは、研究の発展が著しい国々との連携は限定されており、共同研究の大半は、近隣諸国及び他のヨーロッパ諸国と実施されていることが明らかになった。
 
報告書には次のような記載がある。
「研究の生産性が比較的高い世界の47カ国の中でも、イラン、マレーシア、インドネシア、サウジアラビアの出版物の数が最も伸びている。スウェーデンは31位に位置付けられている。また、研究の質の向上に目を向けると、サウジアラビアが首位であり、イラン、パキスタン、中国が続いている。」
「研究、経済、開発援助における国家の優先事項の比較から、提携相手の大半が、スウェーデンのように研究の成長率が低い又は遅い国々であることが分かる。」
 
各国の学術的、経済的な発展に関する指標を分析することは、新たな視野をもたらし、多くの問題を提起する。
 
STINTのAndreas Göthenberg事務局長は、自身のTwitterで「スウェーデンの学術連携は戦略的だろうか?」と、本質をついた疑問を提起した。STINTは、スウェーデンの研究機関の関係者に対して、本調査結果を分析し、変わりゆく学術界の世界地図を考慮に入れながら、学術連携に関する計画を策定するよう推奨している。
 
「スウェーデンの研究分野における国際協力:いかにしてさらなる発展を遂げるべきか?」と題した報告書が、製作を監督したSTINTのHans Pohlプログラムディレクターから提供された。この報告書は2016年11月7日のSTINTのセミナーで発表された。そこではスウェーデンの国際化に関する特別調査官であるAgneta Bladh氏が自身の任務の達成状況を報告した。
 
Pohl氏は次のように述べた。「提携相手を探す上で、高等教育機関のレベルを考慮することは当然必要です。とりわけサイエンス部門のおける方針や方向性が一致していることが重要です。 さらに、私の印象では、すべての高等教育機関が比較的類似しているスウェーデンとは異なり、発展途上国の教育機関は多様性がはるかに大きいのです。」
 
この報告書は、研究能力の開発に関する様々な指標を背景に、207カ国の実績を検証している。
 
University World News:Are universities picking the right research partners?

地域 北欧・バルト三国
スウェーデン
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
国際交流 国際化
レポート 海外センター