【ニュース・イギリス】評価作業の開始に伴いTEF3の専門家委員発表

 
2018年1月22日、イングランド高等教育財政会議(HEFCE:Higher Education Funding Council for England)は、3年目の教育・学生成果評価(TEF:Teaching Excellence and Student Outcome Framework)*に126の高等教育機関が参加する旨を発表するとともに、専門家委員会及び評価者の任命について発表した。発表の詳細は概ね以下のとおり。
 
合計で126の高等教育事業者が3年目のTEFに参加を申請している。この試みは政府によって導入されたもので、優れた教育を認識し、入学志願者にどこで学ぶべきかについて教えるためのものである。
 
昨年は230以上の高等教育機関にTEFの評価結果が出されていて、それらは3年間まで保持できる。一部の事業者は、自校の教育内容について得られた新しい知見に照らし、今年再度申請することを選んだ。
 
今年は、23の高等教育機関と40の継続教育機関、29の代替的な高等教育提供事業者の合計92機関がTEFの正式評価に申請している。さらに、34の機関は評価を受けるのに十分なデータがまだないため、TEFの暫定評価を選んだ。
 
正式評価に申請した92の事業者のうち、約3分の1は初めてTEFに参加する。他の3分の1は2年目のTEFの評価を有しているが失効に備えて今年受け(注:2020年には評価が行なわれない予定であるため、この発表の時点では2017年に評価結果を得た校が2020年中に一旦失効を迎えるという状態になってしまっていた)、残りの3分の1は再申請である。
 
評価は、学生、一流の学者、そして予備の評価者に支えられた幅広い専門家からなる専門家委員会により行われる。委員会のメンバーと評価は3年目のTEFのために指名された。
 
評価に申請した事業者は、その教育、学習環境や学生の成果全体の優秀さを反映し、金・銀・銅のいずれかの等級を得る。等級は、出願しようとする人々へ、どこの大学で最もよい教育と成果を受けることが期待できるのかについて知らせるために、2018年6月初旬頃に発表される予定である。学生が、全ての学生への教育と成果を改善するために事業者と協力できるよう、等級とともにその機関としての活動ぶりについての詳細な情報が公表される。
 
またこれとは別に、50事業者が将来の科目別TEFの実施方法を試すための試行的評価に参加する。機関レベルのものだけでなく、科目レベルでの等級を付けることが、志願者のどこで学ぶかの選択により詳細な情報を与えるだろう。(注:ただし、後述の通り今回分の評価結果については公表されない模様)
 
Janice Kay教授に率いられた、試行的科目別評価を監督する主要な委員会の構成員も指名されている。これには、近いうちに構成員が指名されるであろう7つの科目別委員会の議長と副議長も含まれている。
 
試行的科目別評価は開発中のものであり、参加事業者の等級付けは公表されない。2回目の試行的評価が来年開催予定である。
 
*教育・学生成果評価:単に「教育評価」と呼び慣らわすこともある。大学等各高等教育機関の教育の実績を明確に示すため、2015年に導入が決定された評価制度。各機関における「教育の質」、「学習環境」、「学習の成果」に基づき、「金」、「銀」、「銅」の3種類の評価が与えられる。一度得た評価は最大3年間有効。
 
イングランド政府により任意参加で実施されている事業だが、イングランド以外の英国の大学も参加が可能。公的助成を受けているイングランドの大学がTEFを受けた場合、授業料の値上げが可能な仕組みとなっている。
 
HEFCE:TEF panels announced as assessment phase begins

地域 西欧
イギリス
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