【ニュース・イギリス】英国高等教育機関の財政状況、コロナ禍にも関わらず大部分は良好

 
2020年12月11日、学生局(OfS)は、新たな報告書「Higher education financial sustainability」を発表し、その中で「イングランドの大学と
他の高等教育機関の財政状態は、コロナ禍初期の影響にも関わらず大部分は良好である。」と述べた。

 
しかし、それは様々な機関の状況によって著しい差異があるとしている。

 
当該報告書は、健全な現金残高、増加しているものの持続可能な、政府支援による借り入れを含む借入金、そして当初の恐れより少ない留学生
からの収入の減少が、当該セクターの適度で安定した財政状況の維持に結びつけていると示している。

 
OfSの分析は、かなりの数の大学その他の高等教育機関が計画外の閉鎖になる可能性は現在低いが、依然として将来における相当の不確実性
は残ったままであると結論付けている。

 
当該分析は、今年の10月にOfSに返送されたデータに基づいており、その中で大学は、コロナ禍の前年度の1年間と比較して、2020年
2021年に終わる会計年度の財政業績や状態について予測している。当該分析は、イングランドの高等教育におけるコロナ禍の影響を分析
する最初の機会を提供
している。

 
当該分析によると、

  • 集計されたデータによると、2020-21年は2018-19年に達成した収入水準より下回ると予期されているが、当該セクターが、3年すべて
    を通して350億ポンドの収入と大まかに同じ水準になると予測していることを示している。
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  • 2019-20年の高等教育課程の授業料の総額は、2018-19年の172億ポンドと比べて7.2%増の185億ポンドとなったことが報告された。
    また、高等教育機関は、2018-19年の水準よりはまだ上だが、当該授業料収入は2020-21年には1.7%減少すると予測している。
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  • 2019-20年のEU圏外からの留学生の授業料収入の総額は、ここ数年の海外からの授業料の高い伸びと一致し、2018-19年の52億ポンド
    と比べて16.4%増の60億ポンドとなったことが報告された。また、高等教育機関は、当該授業料収入は2020-21年には10.4%減少し
    54億ポンドになると予測している。
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  • 2019-20年の末、当該セクター全体の借入金は、2018-19年と比較して7億ポンド増の137億ポンドだった。予測では、当該セクター全体
    の借入金は、2020-21年の末までに142億ポンドまで上昇し続けると見込んでいる。これは過年度よりゆっくりした増加となっている。

 


記事: 学生局(Office for Students: OfS)


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