【ニュース・イギリス】英国の約10人に4人が大学に出願。これは新記録。

 
2019年7月11日、大学入試機関(Universities and Colleges Admissions Service:UCAS)は、2019年6月30日まで行われたフルタイムの全てのUCAS学部出願に関する分析を公開した。この日は、最大で五つの大学もしくはカレッジに出願できる最後の締切日である。
 
英国全体を通じての主要な調査結果は以下のとおり

  • イングランドの全18歳人口の39.5%がUCAS出願書を提出した。これは、昨年の同じ時点での38.1%から上がっており、新記録である。
  • 北アイルランドでは、18歳人口の46.9%が出願した。(0.7%のダウン)
  • スコットランドでは、18歳の出願率は32.7%である。(0.1%のダウン)
  • ウェールズでは、出願率は32.9%で0.2%アップしたが、2016年の同時期と同等の記録である。

 
英国の18歳人口全体は1.9%下がったにもかかわらず、英国出身の出願者の数字は1%増加した。2018年の27万2,920人から増加して、27万5,520人の若者が出願した。
 
EUからの出願者数は1%上昇して5万650人になった。EU外からの出願者数は記録的な数字となり、8万1,340人の学生が英国で学ぶため出願し、これは8%の増加である。
 
中国は急速な増加を続けており、出願者数は30%増の1万9,760人である。このことは、初めて北アイルランドからの出願者(1万8,520人)よりも中国からの出願者数が多くなったことを意味している。
 
全体では63万8,030人が大学に出願したが、これは2018年と比べて1,000人以上増加している。
 
初めて、UCASは英国全体の複数の貧困に関する様々な指標を用いた報告書を公開した。

  • 英国では、もっとも恵まれない地域からの出願者数は、6%上昇し、3万8,770人となった。一方で、最も恵まれた地域からの出願者数は減少した。
  • 北アイルランドでは、全ての地域で2~7%出願者数が減少した。
  • スコットランドでは、最も恵まれない地域からの出願者数が3%増加したが、他の全ての地域では減少が見られた。
  • ウェールズでは、様々な地域が入り混じった状況もあり、最も恵まれない地域からの出願者数は1,390のままだった。

 
UCASの最高経営責任者であるClare Marchant氏は、以下のように述べた。

英国の高等教育の世界的人気は、イングランドとウェールズにおける記録的な出願率、そして特に中国からの国際出願者の急激な上昇により、かつて無いほど明確になった。

今回の分析は、大学が進むべき唯一のルートではないが、大学進学が若者にとってどれだけ魅力的であり続けているかを示している。調査分析によると、約4分の1の学生が代替選択肢として技術見習生制度に関心を持っている。

 
2019年7月11日
 
UCAS:Almost four in ten young people in England apply to university – a new record 

 
参考:2019年7月11日 Guardian 紙の記事

「英国大学への中国人学生の出願者数が30%増加」
 
英国の高等教育は、米国と中国の間の緊張状態から恩恵を受けていると専門家は言う。
 
UCASの統計によると、今年英国の学部課程に出願した中国人学生は約2万人である。
 
公式統計によると、英国の大学で学びたい中国からの出願者数は、昨年度から30%増加しており、この数字は、初めて北アイルランドからの出願者数を上回った。
 
UCASは、北アイルランドからの出願者数1万8,520人と比較して、中国から学部課程への出願者数が約2万人(2018年の1万5,420人から増えて1万9,760人)であることを明らかにした。実際の数字は、全ての出願がUCASを経由して作成されるわけではないので、さらに増える。
 
英国の高等教育で学ぶ中国本土からの学生数は、最近10年間で2倍以上となった。しかし専門家は、中国人の学生が学業のためアメリカ以外の目的地を探すため、最近の中国とアメリカの間の緊張がさらに英国の大学に利益をもたらすだろう、と述べている。
 
Chris Skidmore大学担当大臣はこの数字を歓迎しつつ、以下述べた。

留学生は、英国に多大な文化的経済的な利益をもたらす。これらの数字は、その恩恵を受けたいと望む誰に対しても世界的な高等教育をオープンにするという我々の野心の元で上手く進んでいることを示しており、私は、我々がさらに進んでいけることを確信している。
 
UCASが示す数字は、また、英国の18歳人口全体が1.9%減少しているにもかかわらず、昨年と比較して1%多い27万5,520人もの英国人の18歳が出願したことを明らかにした。EUからの出願者は、ブレグジットが不透明にもかかわらず1%上昇し、5万650人となった。そしてUCASは、EU外からの記録的出願者数8万1,340人を発表し、これは8%の増加であった。
 
中国は、既に英国の大学における留学生の最大の供給源となっている。高等教育統計部局(Higher Education Statistics Agency:HESA)によると、2007-08年において、英国には4万3,530人の中国人学生がいた。10年後、合計数は1万6,530人まで上昇し、そのうち6万460人が大学院生で、4万6,070人が学部生だった。
 
マンチェスター大学は、ヨーロッパで最も多くの中国人留学生が在籍している。合計4万人以上の学生のうち、約5,000人が中国人留学生で、これは8人に1人が中国人であることを示している。マンチェスター大学の学生及び奉仕活動の責任者Richard Cotton氏は「大学は中国でとても知られている」と言う。「フットボールのおかげが一部」と続けた。そして2015年には、中国の習金平国家主席がマンチェスター大学にあるグラフェン研究所(NGI)を訪問した。「その後、中国からの出願者の顕著な増加が見られた。

 
The Guardian:Chinese students’ application to UK universities up by 30%
 

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