2019年7月3日に公表された今年の全国学生満足度調査(National Student Survey:NSS)によると、英国の学生は、所属する学位課程に、以前の調査より満足している。 しかし、多くの大学、高等教育機関は、未だ修正すべき箇所を多く抱えている、と学生局(Office for Students:OfS)は述べている。
今回の調査に回答した英国の33万の学生のうち、84%以上が、所属する学位課程の質に満足しており、前年の83%から上昇している。
イングランドでは、83%の学生が学位課程の質に満足しており、それは2018年と同じだった。
満足度合いは、大学や学位によって様々であった。イングランドでは、全体的な満足度合いは73%から91%だった。各大学の結果と他の高等教育成績提供者の結果は、今年度初めてOfSによって作成し視覚化されたデータによって見ることが出来る。
近年の改善にもかかわらず、学生は、調査の対象となっている他の分野と比較して、課程に対する評価と批評に対しては低い満足度を未だに示している。この調査はイングランドのフルタイムの学生が対象だった。
- 72%が、採点に使われている基準が明確だと考えている。
- 72%が、採点と評価は公正だったと同意した。
- 74%が、時宜にかなった批評を受け取ったと述べた。
この調査では、学生がどれだけ自身の意見を大学職員が聞いてくれているかという問いでは低い結果になったことも分かった。
- 76%は、大学職員が課程に関する学生の考えや意見を重視していると考えている。
- 62%は、学生の課程へのフィードバックがどれだけ適用されているか明確であると考えている。
- 69%は、自分は大学職員と学生のコミュニティの一員だと感じている。
学生は、課程や大学間で満足度合いは異なるものの、教育、学習教材、学術的支援に対して全体的に満足していると報告している。例えば、89%の職員は物事を説明するのが明確であると考えており、87%は図書館の資料や情報が学習にとても役立っていると述べている。
英国の資金団体や規制団体の代わりにOfSによって実施されるNSSは、今年は英国全土で33万人を超える学生の意見を取り上げた、世界で最も規模の大きな学生対象の調査のひとつである。403の大学、民間の高等教育機関から参加資格のある学生の72%が参加した。
この調査の結果は、大学や学生団体によって、学生の学業経験の複数の分野にまたがって、改善を推進するために用いられる。
データは後日、ユニスタッツのウェブサイトに公開され、どこで何を学ぶかについて、未来の大学生に対して選択肢を示す価値ある根拠を提供するだろう。
OfSの最高責任者であるNicola Dandridgeは以下のように述べた。
明確な採点基準と前向きな批評、これらは学生の能力を伸ばす鍵となる要素だが、これらが学生に提供されることを確実にするために大学がすべきことがまだある。高等教育は学生にとって人生を変える機会になるが、大学は、学生からの大学への意見に耳を傾けなければならないし、必要に応じて改善を行わなければならない。
我々は、NSSの開発を続け、現役の学生と未来の学生両者のため、学生の意見を収集し、NSSが部門にまたがって改善を推進するための価値ある道具であり続けることを保証する。」
Chris Skidmore大学担当大臣は、以下のように述べた。
大学の課程と受ける教育の質に満足している学生が増えていることは喜ばしいが、これらの結果は、全学生が肯定的な学術経験を積むために、さらに取り組む必要があることを示している。世界をリードする大学学部を英国は有しているが、けっして満足してはならない。」
※ 全国学生満足度調査(National Student Survey:NSS):主に英国の高等教育機関やイングランド、北アイルランド、ウェールズの継続教育カレッジにおいて高等教育資格取得のための勉強をしている最終学年の学生を主にカバーしている。この調査は、四つの高等教育規制機関と資金配分機関(Office for Students、the Scottish Funding Council、the Higher Education Funding Council for Wales and the Department for Economy Northern Ireland)及びHealth Education Englandによって資金が拠出されている。
2019年7月3日
OfS:Student satisfaction rises but universities should do more to improve feedback