【ニュース・イギリス】高等教育統計局による高等教育機関学生統計2021/22年版発表

 
2023年1月19日、高等教育統計局(Higher Education Statistics Agency: HESA)から2021/22学事年度版の最初のデータが公開された。非EU圏の学生数が24%増加し、EU圏からは21%減少したことが分かった。

 
統計によると、2021/22学事年度では286万2,620人が高等教育機関に所属し、2020/21学事年度と比較すると4%の上昇となった。128万8,160人が学部1年生で、52万6,645人(41%)が大学院に進学しており、前年比では9%増加した。1年生の学部生の数は2%減少した。

 
非EU圏からの大学1年生の数は35万325人で前年比では32%の上昇となった。インドからの入学者は12万6,535人で50%の増加であった。英国内からの入学者は2%落ち、EU圏からの入学者は53%減少した。
2021/22学事年度では、高等教育資格は大学院レべルでは39万585件、学士号の第1学位は43万9,115件、その他の学士号資格として9万245件が授与された。

 
大学学部卒レベルの学位の32%が第1級優秀学位として授与され、2020/21学事年度の36%から4%減少した。HESAが統計を開始してから第1学位の割合が減少した初めての年度となり、46%が第2級優等学位を受賞し、前年比でほぼ同じ割合であった。

 
この国家統計の発表とともに、HESAは2021/22学事年度のCovid-19の影響に関する調査考察も発表した。調査では、Covid-19の影響として入学率、学生の移動、資格を考慮に入れている。2023年1月31日には更なるオープンデータとして、Higher Education Student Date: 高等教育学生データを発行する。これには2021/22学事年度の学生、その他の学生記録、海外の英国大学に所属する学生データからより詳細なデータが含まれる。

 
備考:このデータは、2021年8月1日から2022年7月31日の間に学生として登録したものを対象としている。

 
関連記事①
2023年1月19日、学生局(Office for Students: OfS): Office for Students responds to HESA statistics

 
HESAの最新学生統計で、2011年以降増え続けた第1学位授与数の減少に関し、学生局の最高責任者であるSusan Lapworth氏がコメントを寄せた。「本日発表された統計で、2021/22学事年度で第1学位を授与した卒業生の数がCovid-19以前のレベルまで減少したことを示している。」
「昨年は英国大学協会(Universities UK: UUK)とGuildHEのメンバーは第1学位(First )と第2上学位(Upper second)の割合上昇に対して取り組み、Covid-19前のレベルに戻すことを約束した。その努力を称賛し、引き続き成績の傾向を監視し、高等教育機関がその成績の上昇に貢献している要因を理解していきたい。」
「成績インフレを見過ごしていると、社会的な信用を失うことになる。学位の信用に対しての懸念があるのであれば、OfSが介入でき、また事実行っていることは重要なことである。大学やカレッジは、授与される学位は信頼のあるもので、学生の成果を正しく評価していることを保証しなければならないことを理解している。これがまさに高等教育の資格に対する学生、雇用者、広く一般からの信用を維持する方法である。」

 
関連記事②
2023年1月31日、Higher Education Statistics Agency : Higher Edcuation Student Date 2021/22

 
HESAは2021/22学事年度の学生データの詳細を発表した。ナイジェリアからの留学生数はEU圏の学生からの学生数を上回った。HESAの詳細なデータは、英国の大学の学生構成の変化を示している。
同日に発表された数値は、大学院レベルで学ぶ学生数の割合増加を示し、大学院での留学生の割合も増加している。

 
英国の高等教育機関の学生の29%は大学院に在籍しており、2017/18学事年度時点での24%から上昇している。2021/22学事年度の大学院の新入生数は前年度より9%増え52,625人であった。

 
2021/22学事年度に大学院生として入学した総数は820,310人で、45%(375,200人)は留学生であった。2017/18学事年度と比較すると、その割合は35%増である。学部生においては、留学生の割合が2021/22学事年度で15%、2017/18学事年度では14%であった。大学院レベルでのインドからの留学生数(101,765人)は、中国からの学生数(88,755人)を上回っている。2021/22学事年度のEU圏からの大学院生の数は33,715人で2020/21学事年度の43,765人と減少を見せた。

 
大学院留学生の3分の1以上(37%)は、ビジネスマネージメント学科で学んでいる。更に19%がエンジニアリング、テクノロジー、コンピュータを学んでいる。また、今回の発表では、2021/2022学事年度に完全に海外で学位号取得コースや英国の大学で学んでいる学生数が50万人を超えたこともわかった。合計532,460人のトランスナショナル高等教育の学生が在籍しており、そのうち34%は大学院生である。
中国、マレーシア、スリランカでは、トランスナショナル高等教育の学生が最も多く、3カ国の合計で31%の割合を占めている。

 
*HESA Student Date のさらなる詳細


高等教育統計局(Higher Education Statistics Agency: HESA): UK 2021/22 released
学生局(Office for Students: OfS):Office for Students responds to HESA statistics
Higher Education Statistics Agency :Data 2021/22


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
統計、データ 統計・データ