【ニュース・イギリス】「銀河ゲートウェイ」の打ち上げ失敗後も計画を推進

 
2023年1月10日、Research Professional Newsは、前日にあった英国の「歴史的な」打ち上げが失敗に終ったという結果を受け、宇宙企業は計画を改善し、なるべく「早く軌道に乗せる」ことを誓ったことを伝えた。

 
ヨーロッパから衛星を宇宙に打ち上げる最初の国になるため、「英国の銀河ゲートウェイの門戸を開く」ことを試みたが、技術上の問題でロケットが既定の高度に達することができないというトラブルに遭遇したようである。

 
「歴史的」と表現された使命を率いるVirgin Orbit 社によると、LaucherOneロケットを改良型ボーイング747の翼に搭載し、ニューキー空港にあるSpaceport Cornwellからの発射は成功し、打ち上げは成功で始まったと述べた。ロケットは、大西洋上空で切り離され、短時間宇宙圏に突入したが、「システムの異常が発生し、衛星を宇宙に配置するため既定の高度に達する前に、このミッションは半ばで終了となった。」

 
Virgin Orbitの最高責任者であるDan Hart氏は「顧客に対して期待した打ち上げができなかったことを心に留めている。」と述べた。「この最初の使命の特徴として、数々の問題が何層にもわたり複雑化していったが、我々のチームが専門的に管理を行ってきた。しかし、結果的には技術的な問題により最終軌道に乗せることを阻止されたようである。」と述べた。「我々はこの失敗の本質を理解し、修正を行い、隅々までの調査と、ミッション保証の手続きを完了し軌道に戻るため、これから全力で努力をするつもりである。」このロケットは民間企業と政府機関のための衛星を搭載していた。

 
「残念」

 
ソーシャルメディアで科学担当大臣であるGeorge Freemanはこの打ち上げ失敗を「残念」と呟いた。
Freeman氏は月に人類を送る宇宙競争に貢献したJohn F Kennedy氏の引用を使い、「我々がこれを行うのは簡単だからではなく、難しいからである。」と述べた。また、Virgin Orbit社は失敗に終わったとはいえ、宇宙に到達したことはこのミッションが「重要な1歩」を進んだことを意味し、この飛行の裏側にある努力は英国宇宙局、英国空軍、民間航空局、米国連邦航空局を含む様々な関係者との新しいパートナーシップや提携もたらしたと述べた。

 
報告によると、空中に消えた衛星は危険ではなく、北大西洋上で燃焼したか壊れるとされている。また、747機は無事にコーンウォールに戻ってきた。英国宇宙局はコーンウォールからの打ち上げのため2019年にVirgin Orbit に対して735万ポンドを投資している。ミッションは失敗に終わったが、英国宇宙局の商業宇宙飛行部の部長であるMatt Archer氏は、2030年までにヨーロッパで打ち上げられる商業衛星のトップ企業になるために努力していくと述べた。また、スコットランドで垂直発射による打ち上げ計画があることも指摘した。

 
「我々はVirgin Orbitと親密の協力し、何日か、もしくは何週間かけて異常の原因を追及していく予定である。今回は結果的には残念なものであったが、宇宙船の打ち上げは常に大きなリスクを伴うものである。」

 
夏に予定されていたロケットの打ち上げは、民間航空局からの認可を待ったため遅延が生じた。先月、Virgin Orbit は英国初の宇宙飛行打ち上げの認可を受けて、交通大臣であるMark Harper 氏は「英国の銀河ゲートウェイの門戸を開く第1歩に近づいた。」と述べた。昨日打ち上げに先立って、ビジネス大臣であるGrant Shapps氏はオンラインのビデオメッセージを通じ「新しい時代の始まり」として、「今、空でさえ可能性の限界はない。」と述べた。また「ここまで到達することはないという人もいた。と乗務員の幸運を祈り、それらの人たちが間違っているということを証明してほしい。」と述べた。


Research Professional News:UK to press on with ‘galactic gateway’ plans after launch fail


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