【ニュース・イギリス】生活費ローンがインフレに追いつかず、学生は1,500ポンドの損失

 
2023年1月9日、ラッセルグループは生活費ローンがインフレに追いつかず、学生は年間1,500ポンドを失う可能性があることを警告した。

 
この警告は、教育省(Department for Education: DfE)が1月に発表する予定の2023/24学事年度の生活費ローンの引き上げ前に発表された。もし、DfEが2024年第1四半期の最新の予想値(2.8%)まで生活費ローンを引き上げた場合、ロンドン以外のフルタイム学生は9,978ポンドを受け取り、2020/21学事年度で実際のインフレ率で増加した場合のローン額が11,501ポンドとなり、1,523ポンド不足となる。

 
DfEの予想値は2年ほど古い情報を利用しており、Covid-19やウクライナでの戦争などが原因でインフレ率が急激に上昇しているため、2020/21年度以降のインフレ予想は正確ではない。インフレ率を正しくする構造がないため、2020/21年以降は実質的な値下げとなっている。

 
短期的には、ラッセルグループは政府に対して2020/21年度以降の実際のインフレ率を反映した生活費ローンの増加を要求している。この変更は年内に行われるべきで、財政的困難にいる学生を早く支援し、ローンの費用が追いつくようにする必要がある。

 
長期的には、ラッセルグループは将来の急速なインフレ率から学生を保護するために現行の制度変更を推奨している。例えば、予想よりインフレ率が高い場合、実際のインフレ率を利用するという構造が挙げられる。その他、2008年以降2万5千ポンドで凍結されており、毎年最大の支援を受けている学生の親の収入基準を見直し、生活費奨学金を必要とする学生支援の案も含まれている。


ラッセルグループ:
Students to lose out on £1500 as maintenance loans fail to keep up with inflation
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Student maintenance loans to rise by 2.8% in England next year


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
学生の経済的支援 学費、学生向け奨学金