【ニュース・イギリス】新報告書:UCASは英国経済に年間33億ポンドの貢献

 
2022年12月12日、大学入試機関(Universities and Colleges Admissions Service: UCAS)は、学生を思ってもみなかったようなコースにマッチングすることで、英国経済に年間およそ33億ポンドの経済貢献をしているという報告書について伝えた。2022年UCASのインパクト・レポートは、高等教育機関に勤務する人々や雇用者にとってUCASが若者にもたらす価値を測るため2,400人以上の学生と最近大学を卒業した人たちに調査を行い分析したものである。

 
報告書によると、コース、機関やキャリアに関する個別な情報、アドバイス、ガイダンスを提供することで、学生にとって高等教育の様々な選択肢の検討ができ、これまで全く考えていなかった選択ができるようになったことを指摘している。実際に80%の学生は1つ以上の大学に出願するという選択肢があるので、これまで検討しなかったところを検討できるようになったと回答している。報告書では、学生が検討し、複数の大学に出願することが容易になれば、質の高い大学に入学する確率が高くなる。特に恵まれない環境からの学生にとって重要なこととなる。

 
大学は労働力における高スキルや生産性の原動力の一つである。英国財政研究所(Institute for Fiscal Studies: IFS)の推定によると、大学に行くことで収入が平均的に20%増加するという。また大学進学希望者により適切な機会を提供することで、UCASは学生の潜在能力を最大限に活かし、社会流動性を広げることで大きな利益をもたらし、それが英国経済に33億ポンドの利益を提供することになると、報告書は述べている。

 
UCASの提供する支援は、伝統的な大学の学位だけでない。UCAS’s Career Finder というサービスは、学生に高等・技能実習制度に対する支援も行っており、2020年と昨年を比較するとこのサービスの利用が56%増えた。

 
UCASの最高責任者Clare Marchant氏のコメント:

 
「毎年UCASは70万人の大学進学希望者が360の大学やカレッジの5万もの学位コースを紹介している。我々は明確な選択肢を通して十分に情報を得てから決断をすることにより、学生にあったコースを選択するように支援している。」
大学進学希望者の90%はUCASでの経験に満足していると回答しており、学生の希望や野心に貢献しているだけでなく、この報告書では、学生が自分の興味、スキルや将来のキャリアプランに沿った大学を見つけることができることで、広く英国経済に利益が流れていくことを示している。」

 
主な調査結果:

  • UCASは恵まれない環境や社会的に不利な立場にいる学生に対して大学進学制度の利用を支援している。64%がUCASは大学への志願に対してすべての背景の学生に支援していると強く思うと回答している。
  • 技能実習制度にも大学進学にも興味あると答えた92%は、1つのウエブサイトですべての技能実習制度の情報が得られるということが役立っていると答え、54%はUCASによって提供されている情報を必要としていると回答している。
  • UCASは200の世界の国や地域から10万人以上の学部生を支援している。留学生の30%はUCASなしでは英国の大学やカレッジに志願する可能性は低いと答えている。
  • UCASは大学やコース選びに適したトップの情報源であると、85%の学生はUCASを一番利用しておりGoogle(68%)を押さえている。

 


大学入試機関(Universities and Colleges Admissions Service: UCAS):
UCAS CONTRIBUTES £3.3BN TO THE UK ECONOMY EACH YEAR, NEW REPORT FINDS


地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 高技能職業人材の育成