【ニュース・イギリス】EUのプログラム参加が阻止されている英国は、1億1,900万ポンドの日本との「最先端技術」を締結

 
2022年12月14日、Express紙はEU離脱に関連し、EUのホライズン・ヨーロッパから英国は締め出されている状態で英国の科学担当大臣が日本に訪問したことを伝えた。英国の科学担当大臣であるGeorge Freeman氏は、日本訪問後、英国は国際的な研究パートナーとの協力関係を深めるためにグローバル研究基金を創設することを発表した。

 
この新しいグローバル科学パートナーシップ基金は、日本を始め、世界各国の科学者と共同研究を行う英国の研究者を支援するために、はじめに1億1,900万ポンドを投資するという。EUより800億ポンド規模の研究プログラムから阻止されているため、この基金によりその代替としての「プランB」の実現が近いことを示している。EUのホライズンヨーロッパへの参加を交渉しているにも関わらず、EU離脱協定に関する論争により英国は未だに参加が阻止されている。

 
EUの名誉ある基金を英国の研究者が利用でき、ヨーロッパの科学者と様々なプロジェクトで提携するはずであった、800億ポンドの科学プログラムは未だ実現していない。しかし、英国政府はプログラム再参加を目指し引き続き交渉しているが、非EU国であるオーストラリア、スイス、そして現在は日本と提携することで代替の計画を実現しようとしている。

 
Freeman氏は、東京で新しい国際科学パートナーシップ基金(International Science Partnership Fund: ISPF)の第一計画段階を発表した。この基金は、英国の科学者やイノベーターが世界で直面する最も緊急性のある課題に対して、世界中の研究者と協力するための資金提供を行うものである。Freeman氏は、科学者、投資家、実業家、世界の研究リーダーたちを前にした基調演説で、科学、イノベーション、ビジネスに対してよりグローバルな方法をとる英国の計画を発表した。

 
この方法には、「英国のイノベーション、投資、繁栄の促進を行い、世界が直面する地球規模課題に取り組むことで英国のリーダーシップの強化を行う。」ため世界中のパートナーと協力することが含まれる。このような課題は、地球温暖化、「無限」の核融合のような新しいエネルギー資源の活用、海洋の浄化、宇宙の安全と持続可能な実現などがある。Freeman氏は「英国は世界トップクラスの科学と研究、活発な新興企業部門において偉大な名声を受けている。」と述べた。「しかし科学超大国であることは、ただ賞を受賞するということではなく、地球上の利益のため科学装置に投資することでもあり、他の主要国と深く協力し地球が直面する地球規模課題に取り組むことを意味する。」「この基金は、英国が日本やその他の国で人類最大の課題に取り組む為に世界の研究ネットワーク強化に役立つ」と述べた。

 
この日本との協定は欧州の科学大国であるスイスとの覚書に続くものである。ビジネス・エネルギー・産業戦略省(Department for Business, Energy and Industrial Strategy: BEIS) は、EUと英国との協力に取って代わるものではないが、「EU参加に関して、いつまでも待ち続けているわけにはいかない。」と述べた。BEISは、政府の優先課題は「英国の世界のトップを行く研究開発に投資し、国際的な相手国との提携を促進することである。」と付け加えた。「政府が国際的な関係やつながりを引き続き強化することに焦点を当てている一方、ホライズン・ヨーロッパへの参加を否定し続け、英国のヨーロッパのパートナーとの提携を傷つけいていることは残念である。」

 
UKリサーチ・イノベーション(UK Research and Innovation: UKRI)のチャンピオンであるChristopher Smith 教授は「本日の発表は、重要な国際基金の発展における良い第一歩である。」「研究とイノベーションには国境がなく、また感染症の流行から紛争、気候変動から経済ショックまで我々が直面する課題に国境はない。」「国際協力とは英国が素晴らしい研究の可能性を活用し、英国が世界中の人々の生活を豊かにし、向上するために欠くことができないものである。」「国際協力を可能にする特別基金の成立は、英国のこの目的を達成するために役立つ。UKRIは、英国の研究やイノベーション部門や国際パートナーへの利益をもたらすISPFの実現のため努力をする所存である。」と述べた。

 


Express紙:Brexit Britain signs £119m ‘cutting-edge’ Japan deal after being blocked from EU scheme


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