【ニュース・イギリス】評価レポートは「自動化された」英国の研究評価から遠ざかる

 
2022年12月12日、リサーチ・イングランド(Research England:RE)はFuture Research Assessment Programme (FRAP)の一部として開始した3つの調査報告書を発表した。

 
将来の決定への情報提供

 
この報告書では、次回の英国研究評価に関する完全な指標化制度への動きに対して警告している。アウトプットの配分から評価後の分析の有効化まで、測定、人工知能(AI)もしくは以前支援しただろう機械学習もしくはリスクの低い分野の利用を知らせるなどの方法を示唆している。
FRAPを共同で監督する4つの高等教育資金提供機関は、より広く証拠を収集した過程の一貫としてこの報告書を委託している。これには、英国の研究評価の将来の決定を通知するための分野を超えた協議なども含まれる。

 
3つの報告書

 
Metric Tideの利用:英国の責任のある研究評価のための指標、インフラ、優先事項
Stephen Curry 教授、Elizabeth Gadd博士、James Wilsdon教授によって主導された研究管理と評価の指標の役割のレビュー。この報告書は、2015年のMetric Tide Report 以降の責任ある研究評価課題における発展を構想している。将来の研究評価制度(Research Excellence Framework: REF)の指標の利用可能性の再考を行い、「永遠のデータ」の利用の増加を提案する。さらに、英国高等教育機関全体での責任ある研究評価のさらなる展開の支援機会に関しても検討する。

 
研究評価におけるテクノロジーの責任ある利用

 
2022年当初、英国の4つの高等教育資金提供機関はUniversity of WolverhamptonにあるStatistical Cybermetics とResearch Evaluation Groupに委託した。彼らは、AIや機械学習など将来の評価実施の際に研究評価の合理化を図るために可能な方法を調査するように依頼された。全体として、この調査ではそのような技術は評価前の審査員への研究アウトプットの分配や分析的な目的など、比較的低リスク分野の評価に対する将来の評価をする際に用いられる可能性があることがわかった。

 
REFのアウトプット分析:REFデータの最大限の活用

 
この報告書では、REF(もしくは将来の研究評価) から得られる知見を、英国研究の健全性をよりよく理解するために、どのように最大限に活用できるかを調査している。一連の分析的「実験」では、研究評価データのより詳細な分析を追求しており、学問的、学際的な長所の知見を得ている。また、報告書では将来の評価では評価後のデータ分析の自動化と組み合わせる事が可能であるが、そのような方法は、結論を検証するための査読によって補完されるべきとしている。

 
健全な研究システムの支援

 
REの主席議長であるDame Jessica Corner 教授はこの報告書の結果を評価し、コメントしている。「英国大学におけるREFの役割が大きいことを考えると、どのような変更に関しても、明確な証拠、高等教育機関との密接な協議に基づいて行われることが重要である。この報告書から得られた知見は、FRAPの他のチームからの結果と合わせて検討し、健全で包括的で研究システムに影響のある見解を支援することになるであろう。」

 
評価の方法

 
この報告書の結果は4つの資金提供機関と一連の評価・協議活動によって検討される。2023年の春には次回の評価作業に関する最初の決定が発表される予定である。FRAPは、当初4つの英国の高等教育資金提供機関によって開始された。

 
それは:

  • Research England
  • Scottish Funding Council
  • Higher Education Funding Council for Wales
  • The Department for the Economy, Northern Ireland

FRAPはREに拠点を置いている。

 


リサーチ・イングランド(Research England:RE):Evaluation reports steer away from ‘automated’ UK research assessment

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