【ニュース・イギリス】学生局、2020年全国学生満足度調査の結果を発表

 
2020年7月15日、学生局(OfS)は、2020年全国学生満足度調査(NSS)の結果を発表した。

 
全体的に見ると、今年の全国学生満足度調査(NSS)に回答した英国の学生311,432人のうち83%が、彼らの課程の質に満足していると答えている。なお、昨年の当該値は84%であり、わずかに減少している。大学もしくはカレッジによって、どのように彼らの課程が組織化されているか、どのように効果的に変更が伝達されているかについては、比較的より低い割合の満足度を示し続けている。

 
今年のNSSは、2020年1月6日から2020年4月30日に行われ、COVID-19 の大流行及び英国のロックダウンの時期と重なっている。本日同様に発表された追加の分析によると、以前の調査と比較してデータ全体にいくらかの変化が見られるものの、当該結果がコロナ禍によって著しく影響を受けたという証拠はなかったことを示している。

 
例えば、今年の調査において、75%のイングランドのフルタイムの学生が課程及び教育内容の変更が効果的に伝達されたと回答している。2019年の当該調査の77%から当該値は減少しているが、過去数年においても同様な変化が見られるため、当該変化の原因が明確にコロナ禍によるとは言えない。

 
さらにイングランドのフルタイムの学生について、

  • 67%の学生が、課程は適切に組織化され、スムーズに運営されていると回答した。
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  • 62%の学生が、課程に関する学生のフィードバックに基づいてどのように行動されたかについて、明確であると回答した。

 
これらの質問は、典型的には近年においてより低い同意率となっており、コロナ禍からの復興が続く最中に、大学が課程の内容を適応させるため、特に学生にとって重要なものになる。課程は適切に組織化され、スムーズに運営されていると回答した学生は、2019年は70%、2018年は69%であった。

 
OfS は、英国のすべての資金配分機関及び規制当局を代表して、この期間を通じて調査を継続し、コロナ禍が当該結果に及ぼした影響を分析するというコミットメントを発表していた。本日発表された当該分析は以下の通りである。

     

  • 学生の回答の21.2%が、世界保健機関(WHO)がコロナウィルスの大流行を宣言した2020年3月11日以降になされたものであった。
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  • 2020年の最終的な回答率は68.6%(2019年は71.9%、2018年は70.1%)であった。3月11日以降の2020年の回答の収集割合は、2019年と比べると伸びが緩やかになっているが、2018年と比べるとそうではないため、回答率のわずかな減少がコロナ禍によるものかどうか判断するのは困難である。
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  • OfSは、他の要因が考慮された場合、3月11日の前後(「3月11日効果」)に行われた回答において著しい違いがあるかどうか判断するために統計モデルを使用した。当該モデルによると大多数の質問で違いは見られたが、同様の変化は2018年にも2019年にも見られたため、コロナ禍だけに起因するものではない。
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  • 全体的に見ると、2019年と2020年の結果を比べたとき、一部の質問に対する同意率にわずかに消極的なシフトが見られた。しかしながら同様のシフトは過去数年においても見られる。

 
調査の他の項目では、学生は彼らの課程への評価やフィードバックについて、他の項目と比べると低い割合の満足度を示している。しかしながら、これは、近年の着実な改善の状況下での結果である。2008年には、64%の学生が、採点や評価が公平であり、有意義なコメントを受けたと回答した。今年のイングランドのフルタイムの学生の中では72%の学生が、採点に使われた基準は明確だったと回答した。さらに72%の学生が、採点や評価が公平だったと回答し、彼らの取組に対するタイムリーなフィードバックを受けたと述べた。

 
フルタイムの学生とパートタイムの学生の回答において注目に値する違いもある。例えば、イングランドのパートタイムの学生の49%しか、スタッフがフィードバックに基づいて行動したと回答していない。これはフルタイムの学生の値を13ポイント下回っている。フルタイムの学生の69%と比較して、パートタイムの学生のたった58%しか学生コミュニティの一員と感じると回答していない。

 
NSS は、英国の学生の意見に関する最大の調査であり、今年は311,432人を超える学生の意見を集めた。今年は、396の大学、カレッジ及び民間プロバイダーに所属する資格のある学生の68.6%が回答した。

 
当該データは、今年中に「Discover Uni」のウェブサイトで公表される。


学生局(OfS): Student satisfaction stable as data continues to highlight need for clear communication


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