【ニュース・イギリス】博士課程学生の67%がアカデミアでのキャリアを望むが、3年後には30%しか残れない

 
2020年7月16日、高等教育政策研究所(HEPI) は、博士課程学生のキャリアプランについての新たな報告書「PhD students and their careers」を発表した。Bethan Cornell 氏によってまとめられた当該報告書は、博士課程学生が、彼らのキャリアの選択における博士号の影響についてどのように感じているのかを調べるためにこれまでに公表されていないデータを使っている。

 
当該報告書は、2019年6月から7月の間の6週間、世界中の6,320人の現在博士課程の学生を対象とした調査の一環として Nature が取得したデータのうち、許可を得た、英国の機関に在籍する526人の博士課程学生のデータに基づいている。

 
当該報告書の主な概要は以下の通りである。

  • ほとんど(88%)の博士課程学生は、博士号がキャリアの展望に良い影響を与えていると考えている。
  •  

  • 博士課程学生は、博士課程開始前より研究者としてのキャリアを追求するかについて、より可能性が高い(33%)は、より可能性が低い(32%)と同様になっており、大多数が、可能性が高いキャリアパスとしてアカデミックにおける研究(67%)もしくは産業界での研究(64%)を選んでいる。
  •  

  • 博士課程学生は、専門家の聴衆へのプレゼンテーション(81%)や論文審査がある学術誌への投稿(64%)と併せて、データ分析(83%)、データ収集(82%)及び実験等の技術(71%)に関するスキルについて十分にトレーニングを受けたと考えている。
  •  

  • 博士課程学生は、人材管理(26%)、キャリアに対する満足度(26%)、資金への応募(22%)及び予算管理(11%)についてのトレーニングに自信がないと考えている。
  •  

  • 将来のキャリアについて考えるとき、博士課程学生は、機関のキャリアコンサルタントとオプションについて議論する(13%)より、キャリアに関するワークショップ(76%)、ネットワークを形成するためのイベント(60%)に参加する、もしくは自身の研究をする(64%)傾向が強い。

 
当該報告書には、以下のような博士課程学生の声を記録した定性調査が含まれている。

  • 「私は研究以外のキャリアに進むことは適任ではなく、心構えができていないと考えている。」
  •  

  • 「短期間のポスドクのポストで仕事を転々とするという前提条件は、社会生活及び家族生活にとってひどいものである。」
  •  

  • 「アカデミックの文化は、私のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすだろう。」

高等教育政策研究所(HEPI): 
New report shows 67% of PhD students want a career in academic research but only 30% stay in academia three years on


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 若手研究者育成
統計、データ 統計・データ