【ニュース・イギリス】英国政府の崩壊と科学大臣辞任で、ホライズン・ヨーロッパの英国の立場が宙に浮く

 
2022年7月7日、Science Business は、科学大臣である George Freeman 氏が、英国首相である Boris Johnson 氏が退陣に追い込まれ、国際科学協定の交渉に支障が出ると語ったことを伝えた。

 
George Freeman 氏は科学大臣を辞任し、数ヶ月に及んでいるホライズン・ヨーロッパの英国参加と英国の代替プログラムの今後の見通しが不透明になってきた。
 

George Freeman 氏は過去3日間の間に Johnson 政権を去った多くの閣僚の一人で、そのため Johnson 氏は首相辞任に追い詰められた。Johnson 氏の辞任を受けて、Freeman 氏は Twitter において、保守党が新しい党首を探している間、内閣の空白状態を避けるため暫定政権を作るよう Johnson 氏に呼びかけた。

 
他の閣僚たちは、Freeman 氏の意見に同意したが、Johnson 氏は後任の党首が選出される手続き完了する9月まで留任すると見られている。

 
辞任した首相が臨時首相として留任する前例はあり、通常は引き伸ばし作戦を実行し、政策変更を行わない。しかし、Johnson 氏は通常のやり方ではなく、英国憲法に基づく不文律を繰り返し破っている。

 
しかし、英国が暫定政府である間は EU と英国間で北アイルランド議定書に関する交渉を行うことはなさそうで、英国がホライズン・ヨーロッパの参加の障害を取り除くことは当面なさそうである。

 
議会は夏の間休会となり、限られた業務しか行われない。しかし、英国政府がどの程度業務をこなすのか、Freeman 氏の辞任により、ホライズン・ヨーロッパの代替案である英国のプラン B の立ち上げの影響がどうなるか不明である。

 
北アイルランドの議定書に関しては未解決状態の中、Freeman 氏はプランBをこの秋に立ち上げるように推進してきた。先日の Freeman 氏のブリュッセルの訪問では、ホライズン・ヨーロッパの参加に関する問題は、秋までに解決する必要があると述べている。そうでないと英国の代替の国際科学プログラムを開始する事を述べていた。

 
Freeman 氏は辞任後に「政府の不安定さが国際的な評判を落とすことになる、私は科学技術に関する国際的な協定交渉を行う予定であったが、このような混乱の中では出来ない。」と BBC に語った。

 
Freeman 氏の辞任書簡では、英国のホライズン・ヨーロッパの参加の問題を解決する必要性を強調した。

 
影の科学大臣である Chi Onwurah 氏は、Twitter でこの3年間の保守党政権で科学を真剣に取り上げてなかったことを批判し、Johnson 氏は自分の虚栄心のため世界のトップにある英国の研究を犠牲にしたと非難した。

 
「科学者、研究者、企業、イノベーター、一般国民、そして科学大臣でさえも、英国の科学をサポートする現在の保守党政権を信頼していないと言っている。」と Onwurah 氏は述べた。

 

欧州委員会はコメントを控えた。


Science Business: Too many first-class degrees awarded in England, regulator says


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イギリス
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