【ニュース・イギリス】コロナ禍により、学生の課程への満足度は低下

 

2021年7月15日、学生局(OfS)は、今年の学生満足度調査(NSS)の結果によると、より多くの大学生が、昨年と比べ今年の就学経験について
懸念を抱いていると発表した。

 
当該調査は学習リソースの利用可能性に関する特定の課題を強調している。

 
コロナ禍にも関わらず、学生満足度調査ではまた大多数の学生が課程の全体的な就学経験について肯定的に評価していることを示している。
昨年の83%から減少したが、全体で75%の学生が彼らの課程の質について満足していると回答した。

 
しかしながら、コロナ禍は、学生にとって学習リソースの利用可能性に関する課題を浮き彫りにしている。今年の調査によると、

  • 昨年の83%と比較して、72%の学生が、IT環境が学習をよく支援していると回答した。
  • 昨年の87%と比較して、75%の学生が、図書館のリソース(収蔵図書、オンラインサービス、学習スペース)が学習をよく支援している
    と回答した。
  • 昨年の87%と比較して、74%の学生が、課程特有のリソース(設備、ソフトウェア、施設)にアクセスすることができたと回答した。

 
昨年の2020年と比べて減少しているものの、学生は教育についてより肯定的であった。

 

  • 昨年の89%と比較して、84%の学生が、スタッフは物事について説明するのが上手であると回答した。
  • 昨年の82%と比較して、78%の学生が、スタッフは科目を興味深いものにしていると回答した。
  • 昨年の84%と比較して、81%の学生が、課程は知的好奇心を刺激したと回答した。
  • 昨年の80%と比較して、76%の学生が、課程は最高の就学経験を実現しようとする学生の意欲をかき立てたと回答した。

 
今年332,500人の回答を得た当該調査(回答率69%)は、課程での教育、評価及びフィードバック、そしてどのように良く課程が運営されたか
を含む学術経験に関する様々な要因について学生に尋ねている。OfS は、学生満足度調査が年月を経ても使われ続けることを保証するために
当該調査の2段階のレビューの一環として、現在調査の質問や他の側面について見直しを行っている。

 
今年の学生満足度調査は、様々な課題をカバーするコロナ禍における学生の経験についての特定の質問を含んでいる。当該調査項目に対する184,964人
の学生の回答によると、

  • 73%の学生が、コロナ禍における課程の変更に関する有益な情報が得られたと回答した。
  • 42%の学生が、大学やカレッジは、学生の精神的健康を支援するため十分な措置を講じたと回答した。
  • 80%の学生が、大学やカレッジは、学生の物理的な安全を守るため十分な措置(保護具の提供、キャンパスにおける社会的距離の確保、
    遠隔教育の機会の提供)を講じていると回答した。
  • 48%の学生が、コロナ禍における課程の学習及び教育の提供に満足したと回答している。
  • 78%の学生が、講義ノート、課程の教材、学術雑誌、仮想学習環境など、学生が必要とする学習リソースにアクセスできたと回答している。

 
今年の学生満足度調査は、2020年1月6日から2020年4月30日の間、学生に対し行われた。質問は、「非常にそう思う」、「大体そう思う」、
どちらともいえない」、「あまりそう思わない」、「非常にそう思わない」の5段階評価で尋ねられた。全体的に見れば、当該調査の結果
は以下のとおりである。

  • 減少度合いは教科によるが、すべての教科に渡って、同意率(質問に対して「全くそう思う」もしくは「大体そう思う」と回答した割合)
    は前年より減少している。学習リソースに関する質問について、「agriculture, food and related studies」、 「architecture, building
    and planning」、「design and creative and performing arts」、「geography, earth and environmental studies」、「language
    and area studies」、「media, journalism and communications」の学問領域では特に急激に減少している。
  • 通常遠隔学習を通して学んでいる学生の同意率は2020年以降ほとんど変化していない。遠隔学習を通じて学ぶことを選択する確率がより
    高いパートタイムの学生及び年配の学生は、他のグループより同意率における変化は少なくなっている。
  • ほとんどの大学及びカレッジでは、ほとんどのグループの質問に対する同意率で減少しており、一部では他より影響を受けている。
    ごく少数の大学及びカレッジでは、コロナ禍にも関わらず同意率を維持している。

 
今年の調査結果と並行して、OfS は、コロナ禍の影響を考慮して今年の学生満足度調査が前年の調査とはどのように異なっているのかを分析した
「The National Student Survey: Student experience during the pandemic」も発表している。どこでなにを学ぶかについての潜在的な学生
の選択を知らせる貴重な証拠を提供する今年の調査データは、年内に Discover Uni のウェブサイトで公開される。

 

 


学生局(OfS): Fewer students positive about their course amid pandemic


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