【ニュース・イギリス】英国がウクライナの研究者コミュニティへ支援を強化

 
2022年3月27日、ビジネス、エネルギー、産業戦略省(BEIS)は研究に携わるウクライナ人に対して、英国政府は引き続き英国での重要な研究活動の継続のために、300万ポンドの支援提示することを発表した。

  • 危険に晒されているウクライナ人研究者を支援する300万ポンドの提示
  • 政府は英国リサーチ・イノベーション関係の組織を通じてロシアとの新しい提携プロジェクトに対して資金提供をしないことを確認
  • 措置は世界的に利益をもたらすイノベーターやプロジェクトを混乱させることなく、ロシアに対してマイナスの影響を与えようとすることを目的としている。

新しい Researchers at Risk Fellowship Programme は紛争から逃れてきたウクライナ人研究者やすでに英国に滞在している研究者、帰国ができないでいるウクライナ人研究者を支援するものである。

 
この研究支援制度は最長2年間で、給与、研究費、生活費を提供し、ウクライナの研究体制の保全のため、博士号取得者及びそれに準じる研究者に対してすべての分野において実施予定である。

 
英国はプーチン大統領のロシアによるウクライナ侵攻を踏まえて、さらにロシアを孤立させる方針を続けている。また政府はすべてのロシア国家や機関、提携者との関係が明らかになった研究プログラムの資金提供を停止し、ロシアに利益をもたらしている実施中のプロジェクトの中止を発表している。また、英国はロシアとの新たな提携プロジェクトに対して資金提供はしないとしている。

 
科学担当大臣である George Freeman 氏のコメント:

 
科学というものは世界を救う力である。世界が最も切迫した課題に直面したときに平和的な協力のためにある。今回の措置はウクライナとともに、民主的に選ばれた政府とともに、そしてこの恐ろしい時に勇敢な人々とともに団結する一つのやり方である。

 
英国は自由への誓いと専制政治から逃げてきた人々のための聖域によって支えられている世界的に素晴らしい科学の歴史がある。我々は科学を善のための力として考えており、英国に来るウクライナ人研究者を支援する立場を公言する。

 
我々は、さらなる国際的な知識や発見、そして世界的な利益をもたらす解決策を見出すための科学を常に支持していくが、ロシアの違法なウクライナへの侵攻とプーチン政権に対して反対する立場にいることは当然である。

 
これらの措置はロシア国家及びロシア政府と強い関係を持つ個人や組織を対象としている。その他の少数の既存の協力はさらなる検討を行い、機関や個人への資金提供がロシア政府に利益をもたらさないことを引き続き監視する。

 
この処置はプーチン政府に向けられており、ロシアの行動について反対している多くのロシアの研究者、学生に向けたものではない。

 
我々の大学はすでにウクライナの学生に対して門戸を開いている。また英国の大学がウクライナの大学を提携し、卒業間近のウクライナ人学生に遠距離授業を行い、学位を修了するための支援方法を探っている。

 
高等・継続教育大臣の Michelle Donelan 氏のコメント:

 
世界のトップを行く我々の大学はいつも自由と開放が中心となる価値観で支えられてきた。だからロシア政権のウクライナへの違法な侵攻に対して行動を起こす際に支持してくれると信じている。

 
ロシア政府がウクライナの人々に与えている恐怖を考えると、ロシアとの財政的・学術的な研究関係を見直すように大学に要請している。

 
すべての大学は名誉学位の授与を常に慎重に検討すべきであり、特に制裁を受けているロシア人の授与はウクライナと結束を示すために、直ちに撤回されることを期待する。

 
ウクライナ人向けの Researches at Risk Fellowship の詳細は British Academy から近日中に発表される予定である。

 


ビジネス、エネルギー、産業戦略省(BEIS): UK boosts support for Ukrainian research community


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