【ニュース・イギリス】リサーチ・イングランドは、オープンアクセス改善と発展のための投資に係るプロジェクトに220万ポンド出資する。

 
2019年6月14日、リサーチ・イングランド(Research England:RE)(※1)は、大学、研究者、図書館、出版社が、オープンアクセス可能な出版物をさらに多く出版し、そしてユーザーがより便利に利用できるようにするため、新たなリサーチ・イングランドの資金プロジェクトを立ち上げたことを発表した。本プロジェクトは、世界的な研究への広範なアクセスを可能にし、その影響を拡大する。
 
コベントリー大学が主導するパートナーシップである(※2)Community-led Open Publication Infrastructures for Monographs(COPIM)は、以下で構成される。

  • バークベックカレッジ、ロンドン大学、ランカスター大学、トリニティカレッジ、ケンブリッジ大学
  • オープンアクセス可能な出版社(Open Book Publishers, punctum books, Open Humanities Press, Mattering Press, and meson press)で構成されたThe ScholarLed consortium
  • カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館、ラフバラ大学図書館
  • インフラ提供者であるthe Directory of Open Access Books (DOAB)、Jisc、それから国際的なメンバーシップ組織であるThe Digital Preservation Coalition(DPC)

 
REは、COPIMに対し、220万ポンドをリサーチ・イングランド開発基金(Research England Development fund:RED)から授与した。この出資は、研究の革新と高等教育での知識の共有を支援し、公共の利益をもたらす。
 
COPIMは、競争的な商業運営モデルから、より水平的で協力的な知識共有モデルに移行することで、オープンアクセス書籍出版を変える。
 
そのためには、

  • オープンアクセス書籍出版社及びオープンアクセス書籍への移行を行う出版社に使用されているインフラ(ビジネスモデル、保管の仕組み、ガバナンス手続)の改善と革新
  • 図書館員、出版社、研究者、およびオープンアクセスの展望に関係する者との間における、より生産的な協働を可能にする
  • オープンアクセス書籍出版を運用するのに必要なスキルを開発するためのオープンソースツールキットを作り出すことによって、オープンアクセスの機会を拡大する

そして、特に英国内及び国際的な人文学・社会科学分野において、多様で新たな取り組みやモデル等を発表することを支援、維持し、大学及び研究者が管理する持続可能な出版モデル、出版オプションの増加、及びコスト削減方法を提供する。
 
※1 リサーチ・イングランド(Research England:RE):2017年に英国の研究と革新を目的とし、既存の評議会を統合して設立された評議会。イングランドの高等教育機関に資金を提供(1年間に22億ポンド以上)している。九つの研究機関等で構成するUKRIのひとつでもある。
 
※2 Community-led Open Publication Infrastructures for Monographs (COPIM):コミュニティが主導して人文科学や社会科学における知識をオープンアクセス可能にすることで、最終的には公的資金による研究に全ての人が自由にアクセスできることを目指すプロジェクト。
 
2019年6月14日
 
UKRI:Research England awards £2.2m to project to improve and increase open access publishing
 

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
大学・研究機関の基本的役割 研究
社会との交流、産学官連携 産学官連携
レポート 海外センター