【ニュース・中国】習総書記が関心を寄せる庶民の日常|中国の教育の「引進来」と「走出去」が新たな成果

 

(習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想の導きのもとでの新たな時代・新たな成果・新たな1章 総書記が関心を寄せる庶民の日常)
 
総書記が関心を寄せる庶民の日常|世界の100以上の国と地域で学ぶ中国人留学生の8割以上が帰国を選択――中国の教育の「引進来」と「走出去」が新たな成果
 
新華社北京9月16日電 タイトル:世界の100以上の国と地域で学ぶ中国人留学生の8割以上が帰国を選択――中国の教育の「引進来」と「走出去」が新たな成果
 
新華社記者

 
2018年9月、習近平総書記は全国教育大会で、教育の開放を拡大し、世界一流の資源と学校運営をめぐるハイレベルな協力を展開していかなければならないと強調した。
 
改革開放から40年あまり、中国の教育は「引進来(海外から引き入れる――訳注)」と同時に、「走出去(海外へ出て行く――訳注)」も急ピッチで進み、質の高い教育資源を引き入れ、ハイレベル人材の育成をめぐる協力といった取り組みを通じて、様々な文明の優れた成果を受け入れ、参考にし、吸収、文化交流と民心の通い合いを強化してきた。
 
開かれた心で「走出去」
 
「外国に行って間もない頃、周りの人はみんな英語を話していました。彼らの英語はそれぞれ訛りがあり、アクセントも違うので、聞いているだけで本当にめまいがしました。」
 
「先生、それじゃどうやって慣れたんですか。」
 
「英語耳になる近道はないので、リスニングの練習をするように嫌でも英語を、たくさん聞くしかありません。一旦英語の世界に入ってしまえば、たとえ専門用語があっても、すぐに理解できるようになります。」
 
……
 
新学期、ハルビン工業大学航天学院の王超・准教授は十数人の大学院生に向けて実話を盛り込んだ「第1課 心構え」の授業をした。
 
王准教授は材料力学分野の若き研究者で、材料と力学の相互作用などについて研究してきた。彼は数年前、博士号を取るためオーストラリアのシドニー大学に留学した。
 
「国際交流は時にお互いの持っているものを補い合う絶好のチャンスになります。共同研究を行うことで、様々な分野、様々な国の研究者が集まって『化学反応』が起き、新たな研究成果が生まれることがあるのです。」互いに交流し、学び合うことはお互いの科学に対する認識を新たにし、より開かれた、多様な国際的な研究秩序を生み出す手助けをしてくれる、と王准教授は語る。
 
博士課程3年生の趙一凡氏は留学申請の準備をしているところで、この授業をことのほか熱心に聞いていた。「先生のお話を聞いて、海外で勉強するという決意をさらに固めました。自分の学術的視野を広げ、研究の経験を積めるよう頑張りたいと思います。」
 
「大きな責任を背負ってこそ大きなことを成し遂げられるのです。科学技術で国に報いることは、幾世代もの科学技術者が追い求めてきたことであり、共通の夢でした。」現在、国は若手人材によるイノベーション・起業を奨励しており、国がそのために整えている条件や環境はこれまでにないものだと王准教授は語る。「私達はとても良い時代に生きているのです。」
 
教育部の統計によると、改革開放以降の国費留学者数は、初めの1年は数百人だったが、2018年には3万人あまりに増えている。毎年の留学者数は、1,000人未満だったが、2018年には66万2,000人にまで増えている。
 
今や中国人留学生は、世界の100以上の国と地域で学んでいる。
 
時代は今、新中国70年の歴史の中で最大規模の留学人材「帰国ブーム」となっている。2018年の帰国留学者数は51万9,000人、改革開放から2018年末までの帰国留学者総数は365万1,000人に上っており、留学者の実に8割以上が帰国を選択している。
 
新時代のマルコ・ポーロを育成
 
「あれは僕の人生の『ハイライト』でした。」今年デューク昆山大学に入学したばかりのニコラス・コバシッチ氏は、習近平主席から手紙の返事が届いた瞬間をこう振り返る。「主席は僕達が、『新時代のマルコ・ポーロとなり、中国とイタリアの文化交流の使者となるよう願っている』とおっしゃいました。その言葉をいつも胸に刻んでいます。」
 
コバシッチ氏はイタリア・ローマの国立寄宿学校を卒業した。今年初め、彼はクラスメートらとともに習主席に手紙を書いた。「僕たちの学校では、中国語が必修科目なんです。」コバシッチ氏は言う。「習主席に手紙を書いたのは、イタリアには中国文化が大好きで、一生懸命中国語を勉強している若者がたくさんいるということを伝えたかったからです。」
 
「イタリアには、中国語専攻が置かれている大学がたくさんあります。」今年23歳になる喜想(中国名)氏はヴェネツィア大学中国語学科を卒業し、現在は蘇州大学大学院で国際ビジネスを学んでいる。本科時代の最後の1年、彼女は「東洋のベニス(ヴェネツィア)」と呼ばれる水の都・蘇州に交換留学生としてやって来た。そして最終的に、残って大学院に進むことを選んだのだった。
 
「最初の頃は、なぜ中国語専攻を選んだのか、なぜ中国に来たのかと毎日自問自答していました」と喜想氏は言う。「以前は仕事のためだと思っていました。でも後になって、仕事とは関係なく、ただ中国が好きだからだということが分かりました。ずっとここにいたいです。」
 
「ヴェネツィアから蘇州に戻ってくるたびに、なぜかこっちのほうが故郷だと感じるんです。」喜想氏は修了後、蘇州のイタリア企業で通訳として働くつもりだ。新時代の「マルコ・ポーロ」は自分のことだと彼女は感じている。
 
今年8月、大学の「ゴールドキー計画」による全額支援を受け、経済的困難を抱えながらも東南大学に通う鄭平洋氏は、イタリア・トリノで行われた国連青年リーダーサマーキャンプに参加した。
 
「残念ながら勇気がなく、みんなの前で英語で発言することはできませんでした。」安徽省の農村出身の彼女はややがっかりした様子で言った。彼女はさらに「未知の世界が怖かったのかもしれませんし、失敗してプライドが傷つくのが怖かったのかもしれません。でも、いろいろな国から集まった優秀な仲間は明るく、積極的で、チャレンジ精神旺盛で、思い切って『ぬるま湯』から一歩踏み出すよう、私の背中を押してくれました。」とも語った。
 
鄭平洋氏はさらに、「今回の経験は私の世界を大きく広げてくれました。勇気を出して一歩を踏み出し、広い世界に歩み出すことの大切さを教えてくれたと思います」とも言った。
 
開かれた大学運営、中国と外国の融合
 
大学や学院が林立する蘇州の独墅湖科学教育イノベーション区を歩いていると、ある塀のない大学をきっと見落としてしまうことだろう。なぜなら、大学キャンパスと周辺の街並みにはっきりした境界がないからだ。その大学こそが、中国とイギリスが共同で設立した西安交通リバプール大学である。
 
「開かれた大学というのは、自分のために他者をうまく利用することです」と西安交通リバプール大学の席酉民・学長は言う。席学長はさらに「中国の大地に根ざした教育を堅持しています。西安交通リバプール大学は外国の大学の中国分校ではありません。本学が目指しているのは、世界に認められる中国の大学、そして中国の大地にそびえる国際大学として、中国の高等教育の改革・革新の新たな道を探ることです」と語った。
 
「うちの大学には物理的な塀がないだけでなく、理念や資源の面でも壁がありません。」西安交通リバプール大学の大学院2年生・陶韻吉氏は言う。彼はさらに、「決まったクラスもなく、クラス担任もいません。先生の8割は外国人で、授業は全て英語です」と語った。
 
「現在、卒業生の80%以上が進学を選択しており、3分の2を超える学生が世界ランキングトップ100の名門校に進みます。」席学長はこう語り、第1期は学生数がわずか163人の小規模大学だったが、13年後の今は二つのキャンパスを備える1万人規模の大学に発展した。西安交通リバプール大学は「入学も卒業も難しい」を旨とする管理方式とグローバル化により、中外共同の大学運営を代表する存在になっていることも紹介した。
 
吉林大学電子科学・工程学院の「学問の達人」にして「80後」の教授・白雪氏は、発表したSCI論文が119本に達している。だが8年前、彼女はただの平凡な講師で、将来が見えず低迷していた時期もあった。
 
「学院の『金の種計画』に感謝しなければなりません。研究者として歩み出したばかりの私に世界最先端の研究課題に触れる機会が与えられ、学者として急成長することができたのですから。」2011年、白雪氏は学院にポルトガルのアヴェイロ大学へポストドクターとして派遣されたのだった。
 
朝8時から夜9時まで研究に没頭する毎日。白雪氏はいっそう実験室に住みたいとさえ思っていた。
 
この時の経験が、実験に対する考え方を変えたと白雪氏は言う。「中国にいたときは、実験をするのはできるだけ早く研究を進め、結果を得るためでした。でも、ヨーロッパの研究者は実験を趣味のように楽しんでいて、新しい結果が出るたびに子供のような好奇心でそれを見ていたんです。」
 
白雪氏は「多くの人は、実験が失敗したらもう一度やり直せばいい、失敗した結果は何の役にも立たないと考えます。でも、私はヨーロッパの研究者から、失敗にも新たな可能性が含まれているかもしれないということを学びました」と語る。白雪氏は効率よく発光する蛍光粉末を見つけ出そうとしていたが、実験が失敗してしまったこともあった。実験用のシャーレをしっかり密封していなかったため、反応の過程で溶剤が揮発してしまったのである。
 
彼女は残留物を捨ててしまうことはせず、好奇心をもって紫外線ランプを照射してみた。「その結果、高輝度の白色光が得られたんです。」白雪氏は失敗したことにより、その根本的原因を探り、共同研究者と考え方をすり合わせることを学んだ。そして半年の研究を重ねた結果、ついに高効率の蛍光粉末の生成方法を発見した。
 
白雪氏は「世界の研究者仲間と交流する中で、研究の視野が広がり、白色光源を研究テーマにしていこうと決めることができました」と語る。白雪氏を含め、吉林大学の「金の種計画」は国家優秀青年基金獲得者を4人輩出している。
 
2019年9月16日
 
中国新闻网:总书记关心的百姓身边事丨中国教育“引进来”“走出去”取得新成效[来源・新華社]
 

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